吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

東京タッセル

ようやく自炊できる体制を整えて
リンナイのガスコンロで鮭を焼いた
やっぱりガスコンロはスイッチ式ではなくて
手回しで片面焼きで
火の加減を微妙に調節できる感じが良い

アキシマクジラーの集合団地の中階でも富士が見える
最上階の14階の景色はどんな感じなんだろう?と気になる
空きが出たら応募しようと思う
もう20回以上引っ越しを繰り返しているので
手慣れたもので、今回も引っ越し屋さんに喜ばれた
金を払っているのだから
ダンボールにモノを詰め込んで
テープで閉じればいいだけだと
思っているのは愛が無く冷たい
常に運ぶ人の気持ちを思って
ダンボールにモノを詰め込まなければならない

運び屋が、ダンボールを持ち上げた瞬間
全てのダンボールを同じ比重にする
一気に三個持てる重さ
これが運ぶ人への心持ちだと思う
引っ越し屋さんのバイトはしたことないが
たぶん、こういう小さな思いやりが
運び屋の、腰と膝を傷めないだろうと思うのだ
相手も気分良く働けるし

これは、どんな職種でも同じ
居酒屋でもそうだ
その場所で働く人間が
ハナから異質で嫌な雰囲気だと
話は違ってくるが
何事も気分良く
スッキリとしていたいものだ

細かい部分が気になる性なので
部屋のあちこちをウロウロしている
台所の扉が多くて
いちいち角に頭をぶつけて
痛すぎてしゃがみ込む
3回当てているので
クッション的な工夫が必要だし
カーテンのしばり金具がほしい

あれはタッセルという名前だそうだ
カーテンタッセル
知らなかった
響きが良いじゃないか
タッセルさえあれば縛れる

我が人生がまともに成る様に
誰かに、きつく縛って頂きたいと思っている
タッセル

歩いて酒を呑みに行く途中
モリタウンで、諸島アンテナショップをやっていた
懐かしくて、大島の御神火焼酎を買う
大島に家を借りて住んでいたときに
御神火酒造のお父さんに知り合って
島中を案内してくれた
御神火のジャケ版画を描いた作家さんを紹介してくれて
島の南の外れのアトリエで
素晴らしい作品を見せてもらって
珈琲まで頂いた
お二人共、気さくでとても優しい方だった

氏が、コーヒーを飲んだ瞬間
熱いじゃないかっ!と奥さんを叱った
豹変ぶりに驚いたけれど、その瞬間が面白くて
吹き出しそうになった
初対面だし笑うと失礼だし
堪えるのに必死だったのを憶えている

この焼酎を呑んだ瞬間
すべての海の景色を思い出した
旅に行くなら島が良いと思う