吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

暗曇の隙間に一閃の光をずっと探し続けている、The Man.

新聞によれば、
7月に日本に台風が来なかったのは、観測史上69年一度も無かったそうだ。
近代の経済優先社会の人間が、自然を狂わせてしまったということだ。
自業自得である。

ジャッキー・イトワが、馬刺と野菜を取りに来た。
馬刺は、熊本、長野、山梨へ行けば、肉屋に馬刺の暖簾がかかっていたりする。
以前、対馬の牧場で聞いたのだけれど、
昔は、坂道が多い地域では、農耕馬を各家庭で飼っていた。
荷物を運ぶ軽トラのようなものだ。
自然に馬肉を食べる食文化ができたそうだ。

前にも書いたけれど、あれはじつに美味すぎる。
上質の鮪の赤身を喰ってるみたいだ。

高知県出身ジャッキー・イトワ部屋は、
電車で野菜を入れる大きなスーツケース持参で来たので、
酒でも呑みに行くかと夕刻から呑みに出かけた。

いつも酒場では、俺は小さな声でイトワを爆笑の渦に巻き込むのだ。
イトワは、
ん?なんだかアフリカ人みたいだな、まいっか。

高知県出身アフリカ人のイトワが、
「せっかくHPがあるのだから、もっと店の食物の宣伝をしろ」という。
「今どきの居酒屋は、HPにブログやツイッターやフェイスブックや
インスタグラムを載せてお客さんと共有しあって拡げてるらしいぞん!」
という。

「そんなにやったら毎日管理人が忙しいだろ?」と、聞くと
「いや、日本人は皆新しい事が好きだから、
とりあえずやって、たまに更新しているみたいですよ。
1年2年前から更新していないのも結構あるあるよ」
と、言う。

「なんだそれ?馬鹿か?
じゃあ、面倒くさいんだから初めからやんなきゃいいだろうに。
きちんと更新しないと、お店に来てくれるお客さんも、
だらしない店だなぁと、思う人はいると思うぞん。
それって、逆効果の逆捕まりじゃねぇのか?」

「今は、そういうのをふわ〜っとやりたい人がいるという事だすよ」
というので、

「そりゃなんだか、家の片付けも子供の世話も、
掃除も洗濯も美しい朝食も、キッチリ出来ない馬鹿女みたいじゃねぇか?
おらぁやだね、オレはきっちりするのが気持ちがいいから、
そんなツイッターやら全部やるのは鬱陶しいよ
なんでもやるならしつこくやれっちゅんだよ、、」

「じゃあイトワなにかい?
(今日は、新鮮な甲州馬刺を御用意して、素晴らしい笑顔で
お客様をお待ちしていま〜っす)
みたいな文面を書けば良いのか?」

「そうっ!それっ!そういう感じ!そしたらみんな、
みんな拡散してくれて、どりゃ〜っと来てくれるから!」

「そんなもん、うちの客は、ほっといてくれる様な、
この店の雰囲気が好きで、理解のある人が多いんだからさ、
黒板見て、おっ馬刺か〜っ!
い〜ね〜!今日は馬刺をやっつけちゃおう!
あっ、呑みすぎてわたしがやっつけられちゃって」なんていう、
品の良い空気が流れるだろ?そんなんでいいんだよ
そんな面倒くさい、幼稚なことはしなくて良いんだよ」

イトワ笑いながら
「だ〜めだぁ〜こりゃ〜」

酒は進むぞ何処までも、であった。

オレだけの朝飯 The Man。


下の小5のおもろい娘が、
「とうとさん、野々村友紀子って知ってるか?
めちゃくちゃ、人格を全否定するツッコミが面白いから見てみて」

と、いうので見てみたら、この子鋭いし頭がいい。
元々、お笑い芸人だったらしい。
何冊か本も出しているようで、話を聞いていると女の鏡のような女だった。
こんな女房なら男は楽だろうなぁ、あげまんとはこういうひとだろうな。

自分で講演活動やら、仕事や育児をしながら
番組の飲み会なども参加しているそうで、
そういう時は一時間だけ遅れますと行って
いそいで家に帰り、子供の食事をきちんと作って
飲み会へ時間通りにきっちり行くらしい。

旦那のスケジュールも全部頭に入っていて、
この日は後輩のあの人と仕事なら、きっと飲みに行くだろうと
ささっと旦那の財布に恥をかかないように、
お金をそっと入れておくらしい。
旦那は知らずに後輩と楽しく呑んで
会計するときに財布のお金に「はっ」と気づく。
さりげない仕草に
毎度毎度感動してしまうらしい。
出来た女とはこういう無償の女ですな。
子供も幸せだろう。

この人は夫が知らない家事リストというのがあって、
えらそうな男という生き物はどれだけ駄目男かというのを
マークシート方式で、書かせるらしい。
200問あって、旦那は初め5点だったらしい。
だんだんと頑張って、20点まで上がったらしい。

一問目は、起きて換気のために家中の窓を開けているか?
一問目から皆、駄目らしい。

自慢するが、オレは余裕で80点は行く。
できる男、TheManである。

女性は子宮で物事を考えるのですぐ疲れるし、
女性はとにかく寝るのがいい。
というのを知っているので
休みの日は絶対起こさない。
自分でできることは、全部自分でやる。

静かにこそこそ早朝起き出して全部の窓を開ける。
窓は開ければ、いいということではない。
風が空気の対流を描くように、風の通り道をつくってあげるのだ。
風呂の窓も開けて空気をいつも流しておけば、
換気扇を回さなくても浴室はカビないのだ。
鼻が敏感なので、オレは生活臭が気になる。
洗濯物も無臭で洗う。
やわらか仕上げなんぞの甘い匂いをかぐだけで、
吐きそうで気持ち悪くなってくる。
女性は、細かい男は鬱陶しいと聞くので、
出さないように出さないように気をつけてはいるが、
やっぱりキッチリが出てしまう。
困ったもんだ。

でも、
生涯に渡る、日々の小さな生活の積み重ねは、
生活の景色を変えてしまう。
気をつけないと、
精神的向上心の薄い人間をつくってしまうのだ。

では、人間嫌いの巨匠
ザ・ヴァンモリスン。
氏のサウンドは
いつも大きくバラのように美しく素晴らしい。
お客さんの表情を見ればわかる。
Van morrison on Van ,The Man!