吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

注意書き「傷口を塩で揉む事」

外から汗だくで帰ると、たまらずシャワーを浴びる。
毎年、この季節は朝起きたら風呂にチョロチョロと水を貯める。
一日五回水風呂に飛び込む日々が始まった。
拭いたタオルも洗濯が追いつかないので
すぐに絞ってそのまま干しておけばすぐに乾く。
その繰り返し。
浴槽にチョロチョロと水を貯めると節水効果があるのか?
よくわからない。

とにかくたまらない季節だ。
毎日アイスクリームと水風呂だ。

海風のアイスクリームも人気が出てきたそうだ。
オカメアイスだ。
昨年か?
従業員の金髪美人の山本山が、
「社長アイスクリームを店前で売るのはどうだ?」
というので、
「そんな女みたいなモノはオレにはわからないから
好きなようにやれ、自分で考えて行動することに
意義があるからやるなら徹底的にやって、いい思い出を作れ」
と、言って外椅子やらテーブルやら屋根を造ってあげて
この暑い中も頑張って続けている。
子供にも人気で、どうやら街の顔になってきている。
昔は、こういうヘンテコな店がたくさんあった。
そういうのが、東京の景色や個性を作ったのだ。
似たような物ばかりじゃ面白くないじゃないか。

以前、海風でプロの演奏家が、毎月ライブをしてくれた。
Heat Waveの彼もそのひとりで、何回か演奏してくれた。
久しぶりにHPを見たら、相変わらず熱い活動をしていた。
何年か前に、家に遊び来いというので、
軽トラで家族を連れて遊びに行った。

たしか、こんな暑い頃で一緒に海で泳いで、
彼もオレも野球好きなのでキャッチボールをした。
ずいぶんと二人で酒を飲みながら語り合った。
彼とは同世代で、
共にジョーストラマーとルー・リードがヒーローだった。
ヒーローが同じなので、
直感でわかる部分がたくさんあって、
いい意味で同じ様な考え方だった。
反抗と抵抗の世代だ。

誰もが嫌うような泥のような景色の中に
必ず美しい天使がいるのだという考え方が同じで、
自分の傷口に塩を塗り込むような事が、
本当の誠実さだと思っていた、ということ。
結局、俺達はややこしすぎるという意見に終わった。

彼はうちの妻に
「よくこんな面倒くさい男と結婚したね」
と、最高の褒め言葉を言ってくれた。
物凄く気遣いをしてくれる、ギャグが好きなシャイで優しい男。

オレは
「君はすでに、ロックスターなんだから、
日本のくだらない音楽界を捨てて世界に出たほうがいい、
サイン色紙一枚が、高額で売れるような
大スターにならなきゃ駄目だな」とギャグを言ったら

「おまえには、言われたくない」と、言っていた。

部屋にあった彼の黄色いソファーがイタリア製のいいヤツで
「これきもちいいなぁ〜頂戴」と言ったら断られた。

それから自分にも色々あって、
海風のライブもなんだか楽しめなくなってしまい
面倒くさくなってやめた。

あいかわらず、大忙しの彼だ。
ネットで最新ライブが見れるそうなので
予告を入れときます。
こういうシステムはよくわからないので
器用な方はぜひ見てください。
今の日本の若者にはこういう音楽が必要かもしれないね。

小さい頃から僕らは、
意味もなくギャグとヒリヒリするような魂と、
面倒くさい、ややこし嫌われ者の熱〜いのが好きだったんだ。

あずぐであずぐでたまらんばいみんなぎをづけろ〜へやがたづけろ〜