吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

ゆりかごから墓場まで

気が張っているせいか、今朝は四時前に目覚めた
なんやら事務仕事も多く細かい部分の打ち合わせもあり
用事でささっと都合で出かけていいのだが
気を使う性格なので睡眠不足だ

朝六時から一時間ほど朝歩

この時期になると毎年羽根を広げると2メートルほどもある
大きな鷺がやってくる
家のまわりには用水路が流れているので餌を探しに
よたよたと道路を歩いていたりする
家の畑でぼ〜っと立っていたりするので
知らない人はびっくりしてしまうようだ

車で帰ってくると、遠くから見ても家の屋根の上で
ぼ〜っと佇んでいて、我が家の目印みたいで、こっちが恥ずかしい
鷺を飼っているのか?と言われたこともある

今朝歩いていると、近くの畑でバッサァ〜っと鷺が飛び立った
びっくらこいて立ち止まったら
30cmほどの魚がバタバタと土の上で跳ねていた

鷺が捕まえて朝飯を喰う準備だったようだ
家の用水路に魚がいるのは知っていたが
魚を捕まえるためにいつも来ていたのだ
魚を逃してもあれなんで、ほっといて一周回って見に来たら
もう魚はいなかった
オレが去るのを何処からか見ていたんだろう
ささっと、魚をくわえてどこかに飛び立ったようだ
さすが野生の鳥だ

家に帰りシャワーを浴びて朝飯を食っていると
早くも8時に大工のおじさんがニコニコとやって来た
鷺朝飯現場の写真をさっき撮ったと
大工のおじさんに見せたら
「こりぁ〜イワナだなぁ」と驚いていた

おじさん曰く、うちの近くの笛吹川に行くとイワナがいるそうだ
俺なら毎朝釣りに行くなぁというので
オレも渓流釣りをやってみようかなと思った
「釣りを覚えた人は、一生幸せな人生を送る」と
大島の釣具屋さんの入り口に貼っていたのを思い出した

今日もおじさんとの会話は面白かった
オレは子供も大人も、人間として対話するので
大概の人は気を許して話してくれる
たぶん総理大臣だろうがなんだろうが
緊張もせずに普段と変わらなく話せる自信がある
指名手配の犯人とかは無理だけど

自分の気持よりも
きちんと相手の話を聞こうという姿勢が見えれば
人間なら誰でも打ち解けてくれるものだ

おじさんの息子は、頭が良くて変わり者
着物と歴史が好きで
昔から着物を着ていたそうだ
聞けばオレの息子と同じ大学だった
着物が好きで、東京の呉服屋に就職して営業をしていたが
全然着物が売れなくてもう辞めると言い出した

おじさんは大工職人の昔の男なので
三年我慢して嫌ならやめろと言って
三年で辞めて今は東京の広告代理店で働いているらしい
なかなか、面白そうな息子だ

手に職をつけることは大事だと思う
おじさんは年金支給額が8万円だそうで
とてもじゃないけど、やっていけないから
67歳でも手に職があるから
大工をのんびりと続けているそうだ

今どきの派遣やITで働いている人たちは
一流企業の社員で、定年まで努め続けない限り
60過ぎたら、この高齢化社会でもらえても
年金は月5万くらいだろう

歳をとっても今の技術がついていけばいいが
なかなか難しいと思う
若い人は、自分のやりたいことより
一生できる様な仕事をなんでもいいから見つけたほうが良い
今の日本は、昔の日本とは何もかもが違ってきている
これからは、きつい時代だろう
それでも、人を笑わせるために生きて
家族のために無償の愛で生きなければならない
自立して生きていくのは、大変でございますな

昔大好きだったU2は
巨大IT産業みたいになってしまったので
聞かなくなったが
昔のこの曲は
ふと思い出して聞きたくなった

ヴァン・ダイク・パークスの
ストリングス・アレンジが素晴らしかった記憶がある

U2 /All I Want Is You 和訳

「君は言う君は誰もいない高速道路を僕にくれると
ただ眺めるだけの宝物を
夜に輝く素敵なものの全てを
君は言う君は新月の時に見ることが出来る目をくれると
干ばつのときに河をくれると
大嵐のときに避難できる港をくれると
それにしても
ゆりかごから墓場までの間に
僕らがする約束の多いこと
僕が欲しいのは君だけなのに」

U2  / All I Want Is You