吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

血脈

今日も天気がいい
玄関ドアチェーンの間に雪駄を差し込み
南窓を全開にする
風の流れの中で茶を飲み呆ける

洗濯機を回しながら
朝の運動をこなし風呂に浸かる
部屋を掃除する
洗濯物を干して布団を干して、土鍋で米を炊き
朝ご飯を食べる

まるで、忙しい朝の主婦のようだ

都会は時間が立つのが早すぎる

仕入れに行く
いつもの魚屋のおじさんが忙しそうだ
あっちこっちから色々言われてパニックになっていた
なんだかわるくて注文しにくかった
何もかもが何だかおかしい
みんな急ぎすぎだ

どんなに頑張っても人生は一回だ
皆急がなくてもいいじゃないか
俺らの世代は死ぬまで働かなきゃ食えないんだぜ

どいつもこいつも
たいしたことない人生だ
何もかもを欲せず
のんびりと静かに豊かに暮せばいいのだよ

仕入れの最中に
今年就職した息子から電話があった

仕事で都下に来たので飯でも食わないか?
と言う

仕入れの最中で
そこまで行けないから無理だと断り
今日仕事が終わったら
店に呑みに来い一緒に呑もうと誘う

今日は無理だなとあっさり断られる

なんだかなぁ
ずいぶんとあいつは
余裕のよっちゃんイカみたいになっちゃったな
と、思いながら
息子の成長をしみじみと想う

小さい頃は
俺は戦う青レンジャーになると
吠えていたのに
全然ゴレンジャーにも
入れていないじゃないか

大学を出て
会社員なんかになりやがって
どうしょうもねぇな

まぁそのうちアホらしい会社もやめて
魂が豊かな人間に喜ばれる
ゴレンジャーになるだろうな