吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

美しい場所へ這い上がる迄

家族会議にて
今年の正月休みは
都会の人混みの場所へ出かけないと決まる

ネットの情報は信用していない
昨今の世の中は、何にしても
人や物事にも裏があると思っている

裏ばかり思考していると
これまた偏った変な考え方になるから
何事も自分に誠実な眼で判断するように
アホなオレでも気をつけてはいる

要は
自分の足で行き
その場で観察し見てきたことだけが
正しいと思っていれば良いのだろう
賢者は考え、言葉にする前に動く
そして消える

正月は倉庫を片付けて木工に熱中しようと思い
ジョニーを飛ばし
いつもの材木屋の社長に会いに行く
富士山が大きく見えた

檜の上等な板を安く売ってくれた
珈琲道具のスッキリ棚を作るつもりだ

今日から東京なので
温かい珈琲を淹れてポットに入れる

東京の住処では
日々、チマチマと狭い中を
動き回るのが
最近じつに鬱陶しい
来年になったら広い部屋に引っ越ししようと思う

田舎生活に慣れていると
電車の団体移動もじつに怖い
吐息ペコペコブラジャーマスク乗客が
一斉にスマホいじりの光景を日々見ていると
気持ちが悪くなってくるし
そりゃ感染るわなと思う
家庭内感染の一因は
電車での感染だと思っているので
しばらく車で移動しようと思う

材木屋の帰りに、久しぶりの定食屋へ寄る
メニューが膨大な数があり分厚い本のようにある
もう奥さんがひとりで頑張っていた
杖をつきながら歩くマスターの姿をみていると
これから先の我が身を思い描く

老後を迎え、110歳までは
薬に助けられながらも
自分の足で立って生活できる男
馬鹿なりに少しは知識を吸収して
きちんとした生活と緩やかな心持ちで
生きていかないと
これは自分自身完結できないと
思い描いたりする

笑いと毒の効いたギャグ
日々の酒を愛する男でいたい

昨日見た世界街歩きの靴屋の主人が
レポーターの美人に
「君に合う美しい靴を作るために
君の靴型を作るから、君の足を切れ」
と、顔色変えずに言っていた

美しい場所へ辿り着く