吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

The way of life

眼鏡が無いと何も見えない
眼鏡が無いと仕事も畑仕事も
何もできない
眼鏡がないと
家族や人の表情を見ながら
抱腹絶倒の面白い話も生まれない
わたくしは
何もできない不自由なくせに
自由を気取った様に
日々愚かに生きている
なんとラッキーなんだろう

なにもできないじゃないか?
えらそうに
と、自分に感じることがよくある
よくあるけれど
本質をほったらかしにしておかないと
生きてはいけない
自分は生かされているだけだと
思えばいい
生きるという本質には
たいした意味はないのだと思う
だから世界中の人間が
宗教にすがるのだろう
生きることは
ギャグみたいなものだ
笑える生き方が美しい

眼鏡のせいか夜の運転が見えにくい
畑仕事の昼の太陽は眩しすぎる
眼鏡を変えようと思い眼鏡屋へ行った
左目が測定できないので
眼科へ行きなさいと言われた
行ってみたら
先生に、初期の白内障ですと言われる

おっ!遂に来たか!と思った
50歳をすぎると40%の確率で出ますし
治療薬はありません
年齢とともに進行すると手術しますと
慰めるように言われたが
別に気にしなかった

これが白内障というものか
遂に老人の粋に足を入れたわけだな
と、ちょっと嬉しかった
よし、早く手術してもらって
新しい眼の景色を見てみたいと
ちょっと興奮している
しばらく目薬で
白内障の進行を止めるそうだ

左目は13年前に野球をしていて
球が当たって眼窩底骨折になった
すぐに失明した後の生き方を考えていた
全身麻酔で骨折した眼窩底の下に
風船を入れてもらって一ヶ月入院した
眼が見えるようになってラッキーだった
風船を取り出すときは
子供を産むような痛さだった
あんな痛みはもう勘弁してほしい
と自分の神様にお願いした
白内障はそのせいもあるのだと思う
人生の素晴らしさは経験値だと
人は簡単に言うが
自分では少々経験し過ぎたと思う

思い出はたくさんあったほうがいいが
ややこしい思い出は
消しゴムで消してしまいたい
人生は楽しくラッキーだ
そう思えるようになったのは
ずい分前に、抵抗の人
クリシュナムルティを知ってからだ
彼の死ぬ前の最後の講話を見つけた
素晴らしい
彼に教わったのは
考えるな水になれ
だった

人生は
アホで明るく楽しく生きるもの