吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

塩の道ダナキル

朝5時前に野鳥がオレの寝ている屋根の上に集合する
各自点呼を取りながら今日一日の確認作業をしている
あんまり屋根を歩く足音がうるさいので
窓から見える場所に野鳥小屋を置いた
餌も入れておいたので、もう屋根の上には乗るなと言う
水も置いてやった
ただで飯が食えて水も呑めるなんて
どうしようもない奴らだ
アホなスズメがあわてて餌を食いに来る
捕まえたら、焼き鳥にして喰おうと思う

エチオピアのダナキルの塩の民を見に行く
ここは海から120m低い場所
大昔は海だったから土地が全部塩
塩の民アパール族は2千年前から
塩を削りラクダに乗せて50キロのキャラバンを組み
真四角に削った塩を街に週一回売りに行く
塩が割れると売り物にならないと言う
二泊三日のラクダと野宿のキャラバン

ラクダは100キロの塩を乗せられ歩く
アパール族はラクダの体調を気にしながら歩く
夕暮れになると皆で急いで
疲れ切ったラクダの荷をほどいてやる
体力の持たないラクダは砂漠で死ぬ

街に着くと
塩買い人が一頭分の塩を2500円アパール族に払う
その塩を塩買い人は問屋に12000円で売る
儲けは8500円

ラクダと塩の民
アパール族の労力に比べて
何という理不尽な格差社会だ
彼らは2000年前から
明けても暮れてもラクダとともに生きている
オレはラクダに生まれなくて助かった

野鳥とラクダ
顔はラクダのほうが優しそうだ
二千年の歴史がラクダの顔に刻まれていた
日本人の顔はどうだろう