葱坊主は種を撒き散らし
葱の生存権を保っている
わたしたち人間は
見える物を必死で追い求めている
何もかもの終結はわからない

我が店は、酒を出せずの居酒屋営業
いろんな人から聞くところによると
店舗によっては
気づかぬだろうと酒を出して
感染協力のポスターも貼り
国民の税金から支出される
協力金も申請していると言う

なんだろうなぁと嘆く
我が店のように
はいはいわかりましたまたですか？と
国の権力に従い続けている店が
たくさんある
辞めるわけにはいかない

日々、数人のお客さんが来てくれる
赤字続きで、先の見えない不安がある
しかし、若手のバイトの小遣いにでもなればと
己の人生に罰があたらぬように
何も考えず、何も期待しない様
無の世界を信じている

ルールを守らぬ店に対し
あ〜だこ〜だと非難する気力もない
人は人
好きにすればいい
我が道をサイの角のように歩むだけだ

今日の我が小屋の気温は30度
もっと木の隙間に
防温熱処理をしとけばよかったが
もう遅い
昨年天井のファンを付けたので
静かに回している
ありがたいことに
柔らかい風が外から天井から
来るので気持ちがいい
自然の風はありがたい
木々の隙間で葉が擦り合わせて
美しい音が聞こえてくる
どんな音楽よりも素晴らしい

兵庫の山の奥、曹洞宗の寺院
安泰寺のドキュメンタリーを見る

この寺は檀家制度を廃止した座禅道場
ドイツの映画にもなっている
日本人と外国人が切磋琢磨しながら自給自足を営み
坐禅を中心とした修行生活だと言う

延々と続く伝統の継承
座禅には
終わりはなく卒業も無い
座禅を行う意味も無い
辞めたければ辞めなさい
死にたくなったら
どうぞお好きに死になさい
個々の無の境地だ

意味を求めるから
問題が起きる
あるがままに生きて
一瞬の今の輝きを追求する
人間が生きている意味は
求める物では無いと説く
意味などは無いのである

座禅は二時間
無の境地だそうだ
家でやってみようかと思う

安泰寺の10代目の住職は女性
２０代は看護師として病院勤務
３０代は助産師として
周産期の現場で働き
どう生きるべきなのかという答えを見つけるべく
看護師を辞めて
安泰寺に辿りついたそうだ

欲の世界に生きる
我が身として問うてみたい

足が痛くて座禅が組めない
情けない男です
どうすれば良いですか？
と、問うてみたい

住職はおっしゃるだろう

おまえは、帰れ！