吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

雨の遠くを見ていた

東京から標高500m
空気の良いこの場所も
降ったり止んだりの一日

畑にメークイーンと男爵を少しだけ植えていた
葉も枯れて来たので
今日のうちに収穫しようと考えていた
雨がやんだので収穫
家族はそれぞれ忙しいので
ひとり畑仕事

明日の我が家は
父の日地獄コロッケらしい
うちのコロッケは山盛りコロッケ
うちは肉屋か?と思うが
皆で食い尽くす

娘に父の日何がほしい?と言われたが
ん〜っ?欲しいものは何もない
君らがいてくれるだけでいい
それだけで嬉しい
いないと寂しい人生だ
それがあればいいと答える

月曜日から店を開ける
居酒屋の営業は八時まで
居酒屋の酒は一人客だけだと?

オリンピック会場の選手には
酒もコンドームも置くそうだ
感染予防だと言う
ふざけるにも程がある
怒りを通り越して言葉も出ない

とにかく楽しく店を開けよう
中途半端なこの国の指導者達に
みんなストレスが溜まっている

報道1930を見たら
とある居酒屋の店主が
インタビューを受けていて
すいませんと
会話が止まった
彼は背を向け体を震わせ
悔しくて悔しくてと呟いて
マスク越しに大粒の涙を流していた

できるならやっているよ
頑張れるならやっているよ
そんな男の姿にぐっときてしまった

この国で生きていると気づかぬうちに
みんな少しずつ病んでいくだろう
気をつけたほうがいい
この国は、それぞれ個人個人が
利己主義な考え方を選び
合理的な方向ばかりに向かう
そんな経済人になっていくという
この国のシナリオ
アラスカに住む人
リオグランデに住む人
オスロに住む人もこうだろうか?
オレは絶対違うと思うね

いい一日を、
今日は君に会えて良かったよ

世界の人は
人を選ぶわけでもなく
そう言って笑っていると思う

この国は
なんだかよくわからなくなってくる
一人で抱え考え
そういう行動を繰り返すと
簡単な幸せが
どんどんややこしくなってくる

慣れほど怖いものはない
人間らしく自分に簡単に
人に優しく美しく生きよう
さぁ、かあさんコロッケが楽しみだ

A Hard Rain’s A-Gonna Fall / Bill Frisell