吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

オレのトマホーク

最近は酒の量が増えてきている
年末になるとストレスが増える
昨日も焼酎のお湯割を飲みながら天井を眺めていると
だんだんとウルトラマンに見えてきた
ウルトラマンを眺めながら
ふと思ったのは、神保町に住んでみたいなだった
少し飲み過ぎだなと歯を磨いて寝る

最近は仕入れ途中のイタリア食堂にはまっている
前菜のサラダが美味い
コーヒー飲み放題だけれども味は薄い
あと10g焙煎豆を増やして作ってくれ
と、言えるわけがない
ここの料理は優しい味がする
厨房では忙しそうに女性が一人で作っている
店の雰囲気もピリピリしていなくて心地いい
あ〜だこ〜だと質問する客はいないし
マニュアルの様な接客もないしBGMも静かで
ほっといてくれる店なので落ち着くのだ
客が店を作ると言う人がいる
否定はしないが、お客様は神様ではない

あ〜でこ〜でとアピールしない店が
良い客を自然に吸い込んでいくと思っている
そうこうしているうちに良い店になっていく
テクニックに偏らない
その人の日々の景色や生き様が出てくるものだ
何処へ行ってもぼんやりとした店が好き

仕入れ先の魚屋の店主が
老婦人にヒラマサはどんな魚なの?
と、質問されていた
ブリの様に脂っぽくなくて身が締まっていて
天然のヒラマサはそりゃあ美味いよ〜
と言っていて
なんてったって海のスプリンターだから!
と、言っていたのが
ツボにハマって笑ってしまった

車の中でヒラマサは?あれ?と
スプリンターが、頭の違う棚に入っていて
全然思い出せなくてずっと悩んでいた
海のアスリート?海のトマホーク?
全然違う言葉が脳裏に出てきては消える
家に帰るまで思い出せない
脳裏に海のスーパー消しゴムが浮かんだ時は
もう脳みそが終わってるなと思った

痴呆に向かっているだけだ
考えるのはやめようと思い
溜息をついて
小さい窓の景色をぼんやりと見ていた