吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

天使を掴み取り感謝する事

何も変わらぬ男にも、過ちを犯している男にも
グズで間抜けな男にも、嘘ばかりの男にも
一日に一度だけ、天使が現れる
一度だけだよと、自然の神様が言う
もちろんオレにも天使は現れる
オレは無宗教

神様は、
天使を逃すと、簡単には来ないぞと言う
天使を逃さないようにするには?
貴様の日々の観察眼、自然体、、
人に対する己の姿だけだと言う

昨日は、キッチリと
駄目なオレにも天使が舞い降りた
久しぶりの、ガッツポーズだった


店舗工事のヒノキのテーブル板を
多めに材木屋が切ってくれていたので
オレ部屋のテーブル板に使うと決めていた
腕のいい大工さんにカンナで削ってもらっていたのだ

厚さが55mmあるので重すぎて
一枚板に付けられない
鉄の角棒に穴を開けてビス止めすれば
合わさるのではないか?という話になった
家に持ち帰り、角棒探して購入
穴を開けようと鉄骨用ドリルで頑張ったが
オレの力量と技術じゃあ
全く無理で完敗

悩んだ挙げ句
そういえば、、
家の近くに、小さな溶接屋さんみたいな
鉄骨工場があったなと思い
すぐに、鉄棒とビスを握りしめて行ってみた
夕方5時、職人は仕事上がりの場面だった

勇気を持って
あの〜じつは〜、と職人さん近づいて話しかけたら
なんだか、変なやつが来た!と
物凄くビビられた、、

ゆっくり説明していると、おばさんもやってきた
鉄かい?
こりゃ、焼き入れてるから穴は無理だね、、と言う
社長も出てきた、、
おめぇこりゃ焼きなんか入って無いズラ
穴開けてやるよ、、何箇所だ!と言うので
あわてて車に戻り4本鉄棒持参

黒マジックの場所に、このビスが入るように
六ヶ所ですっと、きっちり言ったら
そんなにあけるのか?
わかった!と言ったらすぐに
その場で作業が始まった
びっくらこいた、、

息子さんもお母さんも手伝ってくれて
40分かかって穴が空いた
これじゃあ怪我するからと
穴の周りもすべて削ってくれてツルツルになった

おばさんが、オレを見ながら
穴を触ってごらんよ、、
と、言うので穴の部分を触ると
ツルツルだった、、
なんだか変な感じだな、、
と、思いながら、、
端の部分も触って見なよと、またおばさんが言う
ニヤニヤしていたので
また触ったら、端もツルツルだった
お〜っ!ツルツルですね〜と
皆に感動して言うたら
皆笑っていた

材木に傷がつかないように裏穴は
サンダーで磨こうと言うてくれて
素晴らしい材料になった
仕事終わりに、、
家族総出で削ってくれたのだ
ほんと、嬉しくてしょうがなかった

あのう、削り賃を御願いしますと言うたら
いい、いい、金はいいよ〜
と、おっしゃる
だめです!だめです!と必死で言うと
じゃあ、百円貰うと言う
困ったなぁと思っていると

うちはね、金物加工だから
そういうのはやってないから金は取れない、、
と、社長が言った
昔の、立派な職人だと感動した

いいテーブルができればいいね、、
お店で使うのかい?
お客さんが手を触れると怪我するから
端の部分を、家でもう一度磨いたほうがいいよと
言ってくれた
優しくて優しくて
嬉しくて、泣きそうになって
何度も頭を下げた

こんなに、人に優しい家族経営
素晴らしい昔からの小さな会社があるんだと
とても勉強になった
この光景が、一日の天使だったのだ、、

受け身ではなく、、
全てが自己発信、自己完結で生きていると
必ずこういう天使がやってくる
本気でそう思っている

今朝、板を仕上げた
ケヤキの厚板は重すぎて
二枚同時に持ち上がらなかった
工夫しながら頑張ったら
素晴らしいテーブルになった

この無垢のケヤキ、、
売り物だったらば、、、
とてもじゃないけど
オレの稼ぎじゃあ、一生買えないだろうな

脚を付けて、よっこいしょと持ち上げた
いい生活の景色が拡がったぞ
さぁ、大詰めの東京へ向かおう
家に帰ってきて、このケヤキのテーブルで
酒を呑むのが楽しみだ

罰はあたらないだろう、、
神様、天使様、、と
お祈りしているのだ
ハーレムの天使だ