吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

焦がれて候

今日は、山の日祝日と、、
束縛もされないオレが、この山の日に
冷風穏やかな
誰一人とおらぬ素晴らしき山奥に
何故に?行けないのだ?
と、洗濯物を干してからに
ぶつぶつと蒸し暑い空を眺めていた

あ〜、今日も仕事だ、、
溜息は良くないな、と我慢する

仕入れた大きな鯖を
台所で酢じめしながら
遠い山を思い浮かべているのだ
カネを稼いで
山奥に死ぬるための
オレの最後の小屋を建てるのだ
孤独を噛み締め
男のロマンに浸りながら
チビリチビリと酒を飲み
若い頃の思い出だけで
老いを迎えるのだ

そこには
何も誰もの好き嫌いもなく
穏やかで忘れたような
暮らしが待っている
ためこんだ本を読み
読んでは焚き火の中で燃し
読んだ話も忘れてしまう

いやはや、現実に戻ろう
頂いた、田舎の桃ばかり喰うておる
喰えきれぬので冷凍して
スムージーで呑む
終わりに塩を振りかけると美味い

昨日は疲れすぎて
久しぶりに酒を飲まずに寝てしまった
車でいつものラジオ深夜便を聞きもって帰る
アルゼンチンは、財政危機のインフラで
アボガド一個が日本円で500円だという

パタゴニアの猛烈な風を感じたかったし
フォークランド諸島へも行きたかった
紛争の頃の話を
何処かの店で、地元の酒を飲みながら
爺さんにカタコト英語で聞きたかったし
メキシコにも、キューバにも行きたい
行きたい所ばかりだけれども

日本の夏は蒸し暑すぎて
何もアイデアも思いも浮かばない
沖縄の弟子が
シークワーサーの実をもぎったので
送りますと、電話が来た
優しい奴だ、ありがたい
蒸し暑すぎて
気の利いたシモネタも出なかった
後悔している

アキシマーノでは週に2回
イナバウアーのとんかつを喰いながら
昼ビールを呑んでいる
飯を二杯、しじみ汁も二杯、キャベセンもごっそり
と、きっちりと喰う
身体にだいぶ影響があるだろう
と、我が身に刺激を与えている
三日前の主治医の健康診断では
体重が2キロ近く減っていて
血圧血糖値共々素晴らしいと
お褒めいただいた
こうなると週に3回のとんかつイナバウアーか?
と、考える
やりすぎだな、と思いやめておく
週末に、田舎に戻って元気があれば
山へ娘を連れて出かけようと思う
冷たいせせらぎで缶ビールを冷して
昼寝をしたい
誰も人のいない場所
水の音と葉っぱの擦れる音

また、桃を喰う