吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

うだる暑さに厚い雲

草は、ぼうぼうになる前に刈るべし
わかっていても一週ずらすと
草ぼうぼうになってしまう
たまらん一日だった
ほぼ半日かけて草を刈っていた
泥のような汗
刈っても刈っても終わらない
ぼうぼうの群れ

途中、シャワーで泥を落とし
車の点検へ出向き、アイスコーヒーを頂く
一時間ほど涼んで
ここは極楽だなぁと眠りそうになる
異常は有りませんでしたと
詳しくメンテナンスの車体状況を教えてくださる
ぼ〜っと聞いていたが
車には、さっぱり興味がわかない
ゆったりとエアコンが効いて
すいすいと動けば何も言うことはないので
わからないスイッチは触ったことがない
担当曰く、画面に喋って
いろんな操作ができるそうだけど
面倒くさいので喋らないし
喋りかける声を消してほしいと
頼んだけれど安全上消せないそうだ
エンジンルームも見たことがないし
どうでもいいのだ
いつも車内はキレイにしているから
何も問題はない
とにかくモノに対する所有欲が無い
自己所有の建物なんかにも無い
元々、土地なんぞは誰のものでもなかったし
たぶん、祖先は
遊牧民族だったんだろうと思う

都会の建売住宅なんかの狭い車庫で
休日に車を洗い
必死で車を磨いている人を見ると
生き様が見えてしまい
たまらんなぁと
空を見上げてしまう

空を見上げてみても
草刈りは終わらない
今日は、新規の長靴に変えたし
草刈り機の4Lガソリンも購入したが
気持ちは空の上
終わらんなぁとブツブツとつぶやき
勉強中の娘に手伝わせるのも
悪いのでドロドロになりながらも
なんとか終える

草に埋もれていた
玄関先の石段が見えてきた
この石段は、10年前
土を掘り、材木でごっつい石を持ち上げて
運び運びを繰り返し全部一人で築き上げた
一週間かかって腰も痛めた
おかげで長年の腰痛持ちになってしまったが
心の傷ではないのでいいのだ

庭師に頼むと機械やら何やらで
物凄い手間賃がかかる
家に着く度、踏みしめる度に
必死で頑張った思い出が
石に詰まっている
男の生きる基本は
なんでも自分でやってみる事だから

夕刻になり、泥のような汗を流して
スーパーへキリンクラシックラガーを
3缶買い行く
少し夕暮れの風吹いてきて
ふらふらするけれども
良い感じだった

スーパーの入口で
買い物後の若者が、一人で出てきて
買ったばかりの胡瓜を取り出した
歩き様に見ていると
端をかじってぺっと捨てて
ガブッと胡瓜にかじりついた

冷えていたのだろう
たまらん顔で嬉しそうだった
いいねぇ、旨そうだなぁと声をかける間もなく
若者は早足で歩いていった

おい若手、喰うなら下を食え
胡瓜のヘタ近くは美味くないからな
と、教えてあげる
畑をやっていればわかるんだ
もぎって
水でザザッと洗って喰った時が
夏野菜は美味いんだ
何事も
その瞬間を奪い取るのだよ

缶ビールは、冷えたかね?