吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

大海へ漕ぎ出す意味

もやもやの天気が続いている
今年は梅雨前頃から
おかしな天気が続いている
ずっとこんな感じ
長雨が続いて、ちょいと晴れては雨が降る
そろそろ洗濯物がやばい
イトウに
オマエはどうしているのだ?と聞くと
扇風機をかけて洗濯物を乾かしていると言う
ほんにえらいことである

昔の写真を眺めている
こういう時期は
海の写真ばかりを見たくなる
小さい頃から今でも
とにかく大きい海が好きなのだ

若い頃、都会で住んでいると
しょっちゅう気分が落ち込んだ
週末になるともうダメだと
心が崩れそうになる時期もあった
そういうときは
何も考えずに電車に乗って海を見に行く
それが自分の一つのルールだった

何もせずに、ぼ〜っと海を眺めて
ぬるい缶ビールを2本呑む
そうして、なんとか精神性を保っていた
じゃないと狂っていただろう

海は素敵だ
ず〜っと遠くの地平線を眺めているだけで
己の小さき姿や悩み事がアホらしくなり
心持ちが平穏になる
自然の景色が
人を変えてしまうのだ

誰もいない海が好きで
海沿いの色んな場所で部屋を借りて
移動していた時期がある
伊豆の大島にも住んでいた
美しい海だった

海の目の前で、朝の陽とともに目が覚めて
夜は波の音を聞きながら眠るという事が
どういうものなのか?
金の続く限りの生活実験をしていた

朝は、眩しいくらいに海に光が反射する
昼になるとカーテンをしないと
陽が痛いのだ

波の強い日は、塩水が吹いてきて
洗濯物がベタベタになるし
車も錆びてくる
台風が来ると
恐ろしいほどに海が叫ぶ
ほんで、波の穏やかな日は
永遠に続くような幸せな景色に変わる
人生の中でも
海の自然は勉強になった

夕刻になるとサンダル履きで
釣り竿片手に目の前で糸を垂らすと
鯵がすぐに釣れる
三尾釣って、その場で捌いてアラを海に戻すと
大きな魚が喰いに来る

醤油に島とうがらしを入れて
冷やした鯵を喰いながら
何もない部屋でひとり
大島焼酎を呑むのが好きだった

酔うてくると
大の字で眠り
小さな事はどうでも良いと
ニヤニヤしている

心豊かに生きる
大海の男の様な気分になってきて
我が身を褒め称えるのだ
意味がわからぬ阿呆だけれども
その時の自分は
何かに勝った気がしていたのだ

阿呆で良かったと、、
今も思い出と共に暮らしている