吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

あなたがいてもいなくても

ここ数日
家の中では
ず〜っとダニエル・ラノワの”Player, Piano”
13曲トータル35分

永遠に繰り返すさざ波のように
遠くで心地よく流れている
音楽は、聞かせるものではない
そっと、その場で響いている
家具であって欲しい
電車の音も洗濯機の音も
音の隙間で、心地よく聞こえてくる
素晴らしい

店でビーフカレーを仕込んだ
昨日のお客さん、辛口を頼んだら
あまりの辛さに驚いたようで
辛さに負けてたまるかの表情で
静かに美味そうに喰っていた
いい景色だった

今日は、快晴で洗濯仕放題
布団シーツも何もかも洗うのだ
心の淀みも洗いなさい

日が射すと本を読む
好きな作家のタイトルに
“海”の文字があるだけでたまらない
一生涯かけて読みたくなる
本は素晴らしい
文字だけで景色を創り出す世界
最近の本は紙質が変わってきている
昔の本のほうがいい
今の時代は
なんでも簡単にすぐわかる
合理的な日々がある
つまらないなぁ

ほころびの様な糸屑のような日々
なんだかわからないなぁと
思い、考え、気にかけながら
また元に戻ってしまったなぁ
と思いながら生きるほうが
美しい気がする