吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

モーレツ5Days

昔から
忙しそうにしている男を見ると
貴様ごときの小さな世界で
忙しそうにするなとイラッとくる

なるたけ表現を
外に出さないように気をつけている
でける男は、自分を横に置く
男の品である

けれどもこの5日間モーレツな日々であった
脳みそのリズムも狂いそうだった
おかげで
オレの脳みそ訓練ブログも
書けずじまいだった

引越し当日
業者の荷運びの前に
新居にガス開栓の係が来た
ん?と怪しい顔をしながら
メーターと格闘していた
何度も会社と電話しているので
開栓できないの?と聞くと
ガス漏れしているのですが
場所がわからないと言う
しばらくするとガス会社の人間が
数名やってきて各部屋のガス栓の検査を始めた
オレは、ドリフのまっ黒焦げの感じを想像して
こいつらよりも一番早く逃げる事を考えていた
いろんな機器を持ち出して
エライことになってきたのだ

業者は刑事のような顔つきで
ようやくガス漏れの部屋が特定できたと言い
全員で狭い部屋に集まった
これは、内装屋がガス管に傷をつけたな
と、画面を睨みながら
その部分からガス漏れしているから
壁を壊さないといけないし
床も剥がさないと駄目だなと言っていた
工事中ガスは使えないと言う

おいおいおい
夕方から、荷が来るのだぞ
とオレは慌てふためいた
しばらくすると管理会社から電話があり
申し訳ないが、工事中の
仮住まいで隣の部屋で暮らしてくれと言う
昔のオレならキレていたが
現場の人を見ていたので
穏やかに対応した

勘弁してくれと隣の部屋を見てみると
3LDKで大家族が住むような
全面リフォームされた新築マンションの様だ
すべての設備は最新
けれども
こんな広い家は要らない
仮住まいも要らない
ダンボールに囲まれててもいいので
ガスが使えなくても構わない
水が出ればそれでいい
移動はしないよと管理会社に伝える

そうこうしていると
工事関係者が10名来て
ガリガリガリと壁を剥がし出した

なんとか急ぎますと言いながら
床も全面剥がしだした
あ〜あ〜と思いながらも
もう好きにすればいいという感じ
引っ越し屋に
ガス漏れでいきなり工事が始まったから
置ける場所に固めて置いてくれ
と、お願いして車積みを終えて
アキシマーノの部屋の掃除をする
最後までキッチリと清潔にしておけば
掃除をする人も気分がいいだろう

現場の人は、荷が来る前に
全員で作業していた
ガス漏れの場所を検査機で発見して
ここだっ!と全員で唸りを上げた

それは、壁ではなくて床下だった
急ぎフロアの板も全部剥がして
壁紙も剥がされて剥き出しの部屋で
皆が、格闘していた

オレの気持ちを
わかってくれたのか
なんとか急ごうと
全員で格闘したわけだ
彼らは、凄いチームワーク
我が身よりも
相手の気持ちを汲み取るのが男だ

素晴らしい仕事だった
プロだなと感じる
修復作業が始まり
フロアを貼り始めて壁紙も貼り始めた
引っ越し屋が来る寸前に
すべての作業が終わり
ルーム・クリーニング屋さんが来て
清掃して間に合った
最終チェックをして
荷運びが始まった
モーレツな一日だったけれども
いい勉強になった

体を休めて
朝六時から荷解きを始める
すべてを終えて酒を呑みに出る
自身を褒めて酒を呑む
いい一日だった

今朝、珈琲を淹れる幸せさを感じ
遠くで走る電車を眺めながら
穏やかで新しい日々が始まると
確信している
自分の何かを変える事
何かを感じとる事
トムブロッソーを聞きながら
一発目の珈琲が美味しい

階下の公園では
園児の走り遊ぶ景色と声
ちいさなちいさな景色が見えている

ホテルの花の飾りが職の
花が好きな一人都会で暮らす息子が
店に花を持って呑みに来たと
イトウが写真を送ってくれた
息子曰く
日持ちのしそうな花を持ってきたと言う

気持ちの優しい息子だ
ありがとう、おまえも頑張れ

さぁ、洗濯物が乾いたら
田舎へ走るか、