吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

孤独と明かり

ここ数日
自分のアンテナが何処へ向いているのか
わからなくなってきている
向きがわかればわかるだろうに
まったく電波をキャッチできない
オレはバカアンテナなのだ

いい歳こいて何をグダグダと言うておるのか
と、言われてもオレのアンテナの向きが
まったくおかしい事になっているので
この年末も、モヤモヤグダグダと、、
スッキリしたいなぁ
キッチリしたいなぁと
子供の様な日々なのだ

今朝
この1年間竹造りにハマりまくっている
70代の近所のおっちゃんが
門松を造ってくれて二個くれた
一つは、お店に飾ってくれと、、
心優しい気配りで嬉しかった

オレは、グダグダと過ごしているのに
あの、燃える様な集中力はなんだろう
ぜんぜん、負けている
この情けなさを考えていると
また凹んできてしまい
あかんあかん、あかんでぇと
奮闘に向かおうとしても
まったく気が無くなってきて
季節の変わり目の鬱なのだ、、
たまらんなぁと天井を眺めてゴチり
おっさんのお礼に
富山魚津の蒲鉾を二個渡してきた
“わるいじゃんけ〜っ”と
甲州弁で喜んでくれてよかった

わかった
昨日のBSドキュメント72時間に
全部、魂を持っていかれたからだ
心は、もう空っぽだ

あの番組はたまらない
あの自然体の人間模様
心に響いてしまう

番組は、ただただ色んな店屋さんで
72時間、来る客、来る客の
人生話を聞くだけ

昨日は、、
中央道、国立インターの南京亭
昔、深夜仕事終わり
甲府までの深夜の帰り道
南京亭で、ぼ〜っと一人反省会をしながら
ラーメンを喰って帰るのが楽しみで
懐かしかった

番組は、オレと同い年の59歳の
元トラックの運転手と職場の同僚
聞き役が、話をさりげなく聞く

彼は、数年前に脳梗塞になって
左半身付随になったと語る
もう人生の絶望を感じたけれども
リハビリを2年間がんばった

ようやく、近くの青果市場で働き出したら
昨年、妻が53歳で亡くなった
夫婦には、子供がいない
今は、一人っきり
妻が亡くなり
どうしようもないこの孤独感に
一人で耐えられなくて
ずっときついんだよ、、

こんなに話が好きなのに
家の中で一人でいるとね、、
何も話をしないだろ?
あんた、この孤独感わかる?
と、取材の人に聞いていた
取材の人は声が出なかった
そりゃそうだ

寂しさが、少しわかる
オレのリハビリは一年だったけれど
ほんとにきつかった
医者に、覚悟はしておきなさいと言われ
これで、終わったと思ったし
心が、孤独でしんどかった
番組を見ていると
どうにもぎゅ〜っと
心臓をえぐられる感じで
たまらなかった

彼の雰囲気は、、
細かい事は、あまり気にしない風で
奥さんの料理を文句も言わず
美味そうに飯を食ってよく働いて
不器用だけれど、人と良く話し
ぐっすり眠れる風貌だった
優しそうな男だ
きっと良い人なんだろう
それだけに
人一倍の寂しさが込み上げてくるのだろうな

帰り際に
働いても喰えるだけでいい
それ以上の金は要らないよ、、
一人きりじゃ、金使わないもん
と、手を振って車に乗って帰った

ドキュメント72時間
打たれるように受けてしまう
キャッチャーかオレは、、
涙腺崩壊で、、入り込んでしまうのだ
ぜんぶ、もらっちゃうんだな

ドキュメント72時間
年末スペシャル
10作品やるそうだ
あ〜たまらんなぁ
しょうがないとにかく録画だ
暗闇からの光
いつの日か、
誰にでも
必ず眩しく光る時が来ると信じていたい
一瞬を掴む為に生きなきゃな
ぼ〜っとしてんじゃねぇよだな