吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

都会には、土が少ないから寒い

なるべくイトウちゃんの電話は
出ないことにしている
急ぎの仕事の御依頼が多いからだ

案の定、、
人が足りないから東京に出てこい
明日来いよ!と言われた

あっ、歯の治療で、、
かぶせていたやつがさっき取れたから、、
呑み込んでしまって、、
と、ウソでごまかしたけれど、、

こらっ!おまえおまえ!
ペンチで抜くぞ!その歯をっ!
来いよっ!

あ、はいはい、、

こんなバカ社長は
もう日本にはいないだろう
言いたい放題、生き放題
いい加減な絶滅危惧種と言われている

今の事業家は、、
コンプライアンスやらジェンダーやら
何個でもあるそれらのカタカナ用語で
よろしかったですか〜っ?みたいな
クズバカ言葉大多数に
あれダメこれダメと制御され
よくわからない差別と平等の
隙間産業の様な世界で
事業をなさり生きていらっしゃる
もはや、腹立つやつも殴れない
喧嘩の弱い輩が、偉そうな口を叩く
こりゃたいへんだ

腹立つ奴をすぐ殴れる私服警官を
国家公務員として雇う
そんな法案を出せばいい
そうすれば、
少しは柔らかで
親切な社会になるだろう

僕が小学生の頃、
先生が教室でみんなに言った

”大人になって
このクラスで全てにおいて
幸福になれる人は、ほぼいない
まぁあきらめろ、、”

と、今の世の中では
完全にクビになる様なことを先生が言った
子供らはみんな
希望を絶たれた様な顔をして
目を細めてびっくりしていたが
僕はへっちゃらでニヤニヤしていた
おもろい先生だなと思った

今思えば、
社会の本質を突いているし
先生の言うことは正しかった
小さい頃から、溢れるほどの
差別を見てきたから
泥の様な景色の中でも
真っ赤に美しく光っている
ホンモノの何かがある

そんなキチンとした教育を受けたので
いい加減と、無責任と
わがままな人生を送れるように
気をつけている
少しの優しさがあれば
絶滅危惧種も生き残れる
巧く社会に対応できないけれど
まぁ、そんな人は苦しくても幸福だろう

店に出ようと思うたが
今日は、呑みに行くことにした
好きな良い店を発見したからだ

静かな店で
客に話を合わせているだけで
客をな〜んとも思っていない店だ
店員ふたりの表情でわかる

素晴らしい店だ
仕事が丁寧で料理も美味しく
値段も安い
イトウにも好きになるから
やり方が似ているし
行ってこいと教えてあげよう

美人かしこセレブに電話して
久しぶりに一緒に呑んだ
後半、また叱られる感じになる
しどろもどろになるわけで
話を聞いているのか?と言われもって
あ〜、歯医者に行きたいなぁ、、
え〜女がいないかなぁ、、などと
脳裏の中は、酩酊に向かう自分がいる

会計を済ませると
店主は、自分を覚えてくれている様で
ニヤニヤと嬉しそうに
また来てくださいねと
小さな声で言ってくれる

同じグループ
同じ匂いを感じるのだろう
情けない話し声も聞こえるだろうしな
まだ俺の方がましだと、、
思ってくれていると
それはそれで嬉しい

静かで良い店は、ほんとに少ない
また行こう