吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

きめごとのうみ

生活の何かを変化させるときや
何かの行動を起こすときは
必ず海を見に行く
自分を確かめに行く為に
海へ行く
海は嘘をつかない気がするから

もう30年伊東に通っている
ず〜っと同じ安宿
同じ食堂、同じ居酒屋へ行く
地物のアジフライを食し
観光客が行かない店へ行く
散々呑んで
最後に、朝7時からやっている
ラーメン居酒屋で
焼酎を飲みながら
婆さんと話す

麺無しの拉麺スープをのむ
この店のいいところは
カットレモンを頼んだら
雑なぶつ切りに切ってくれるところ
絞りづらくて大変だ

そして、30年通っても
一切覚えていないところ
客を屁とも思っていないところ
むかつく客には
婆さんは、罵声を浴びせる
朝は、娘が営業していて
いつも婆さんひとりで大変だ

素晴らしすぎて
オレには、じつに落ち着く店なのだ
もうベロベロだ
ラーメンはややこしくなくていい
たいして美味く無くてもいい
熱くてスープが美味けりゃいい
五百円でいい