吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

最後は、全て無くすの

腰の痛みも治りかけていたけれど
またまた再発
たまらず針先生の内科へ
よろめきながら向かう
“先生、左腰がやばいっす
んで、肩と背中もパンパンなんで”
わかったと針治療が始まる

まずは、手のひらのあちこちに
プスプスと刺され
足の甲にもプスプスと
見事なツボ察知
鈍痛が全身に響く
いたたたた〜っとうめきながら
百箇所くらい刺されダウン
大きな湿布を貼られる

”はい終わり、畑仕事は休んで
無理しないで休みなさい”

いやはや、たった5分足らずで
チクチク刺されただけなのに
凄まじく全身が重くなる
どういうことだ?
と針治療の真髄を感じている
寝て起きたら、身体が軽くなっていた
腰痛も少し楽になった
しかし、あの先生の医院
素晴らしく明朗会計で
590円だった

コロナ患者が来たら
ヘッドマスクみたいなのをかぶり
先生自ら駐車場に走り
鼻に棒を入れて検査する
全部一人で処置している
素晴らしい医者だな
看護師も受付の人も
みんな楽しそうに働いている

職場の空気が良いと
空気感の良い人になる
ものづくりは人づくり
人だよな、人だ
その人の持つ何かが連鎖する
ややこしい空気の人には
そういう人が集まる

おかげで腰痛もだいぶ良くなった
デスクワークは続く
いよいよ峡南の家の内装工事が決まりそうだ
毎回そうだが、時間をかけて
5つの業者の見積もりを取る
居酒屋家業で何度も店を作ってきたから
業者を見ればわかるし
人を見ればわかる
信じられない見積もりも多数
ずっと上から目線の業者もいるし
こいつ嫌だなと思う人もいる
なめられているわけだ

人というのは面白い
生き様が、経験豊富な人は
みんな物腰が柔らかい
話し方でわかる
でも、鋭い

今の、海風を造った大工さん達は
人伝に紹介された昔からの知り合い
皆、個性的で物腰が柔らかい
んで、観察していて面白い
仕事ぶりも丁寧で
ややこしいオレの意見も
毎回、きちんと聞いてくれて
じつに頼もしかった

今回は、大工事なので
モゾモゾと頭の中で考えている
店のラフスケッチがあったので
色々思い出しながら見ている
性格が細かいので
全てが気になってくる
そういう性分だからしょうがない

人の眼に、見えない部分を
ミリ単位で考える事
人生に於いて大切だと思う
誰も気づかない
どうでもいい様な
不合理な世界
景色の裏側の醜い世界も見てみたい
美しい景色と真逆の景色
それぞれの本質は、圧倒的に映る

峡南の家のテーマはシンプル
小さい頃から、
都会の団地住まいだったから
古くて広々とした田舎の家に住みたかった

とにかく開放感のあるフラットな景色
目指すは、30畳の部屋一つ
台所は、畑の見える厨房設備
広い土間は事務所か店
森と畑
犬と羊と鶏
景色は溢れ出す
また失敗を繰り返すのだろうが
まぁしょうがない
人生を、生ききるという事
生きる事、成す事
それには、大した意味は無い
もう少し、哲学を学ぼうと思う