吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

Way Down Way Up

久しぶりの都会
濃厚ピンク、エロチックな陸橋
JEEPをエロ橋ブチ込むように突き抜ける
東京シティー
ダニエル・ラノア聴きながら
今日は、久しぶりの店
お手伝いにやってきた

普段、お店の貸し切りは断っている
イトウが、昔働いていた老舗の喫茶店
茶房 武蔵野文庫
一度お邪魔したことがある
重厚でオレの好きな造り
本物の素晴らしい店だった
長年の営業を終えたということで
昔から働いていた人たちが集るそうだ
どうぞ、うちの店を使ってくださいとなった

イトウがお世話になったんだから
どうぞどうぞと言うわけだ
いまは、木造の店がほんと少ない
だいたい、集成材やベニアで作られ
洒落た雰囲気を出そうとしている店が多い
武蔵野文庫は、迫力があった
聞くところによると
店の造作の時に、35年後でも
古さを感じさせない店造りをしたと言う
さすがである
艶の出る店はそう言う店
店主に可愛がれたイトウは幸せ者だ

いつも言う
思い出の中
心の中に響いた人
とても影響を与えてくれた人
優しさ、強さ、醜さ、愛、情熱
小さな自分の心の糧になった部分

モノではなく魂
心のものは、お返ししなくてはならない
伝書鳩のように誰かに伝え
人に、愛の本質を教えなければならない
そうやって人は人を育てていく
オリジナルなんて無い
死ぬるまで、良い景色を持つ人は
そうして生きて来たはず
美しい景色は、誰かに手渡せばいい
じゃなきゃ、自分が生きている意味は無い
人のために生きる人

邪魔にならないように久しぶりの厨房
イトウを笑わせるギャグに
狂いはなかったし料理は楽しい
さすがである
イトウに小さなアドバイスをして
二階のみなさんの笑い声を聞いて
イトウも嬉しそうで
よかったねぇ喜んでくれてと声をかけ
さっオレはもうええやろ、、
と、呑みにいく

今日は、立川泊
品の無い客の
うるさい居酒屋で酒呑んで
缶チゥーハイを買って帰り
東京シティホテルで呑む
無機質な景色を見ながら
侘しく歯を磨いて寝る

楽しい一日だった
今度は、店に呑みに行こう
あっ、働かさるかもしれない
それは、しんどいな、、