吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

東京 First Watch

世界中の人々が
あなたの見てきた景色と繋がる

あなたは
今日の階下のゴミ捨てを終えると
モロッコのタンジールに飛びたち
美しい景色を描くために
小さな勇気を手に入れる

いつも財布の中身は空っぽだけど
インドのボンベイを手に入れて
東京のアキシマーノを軍用機で通過して
メキシコのカンクンへ辿り着き
疲れて休み居酒屋では
テキーラは飲めやしないと呟く
財布の中身は空っぽだけど
何処か違う場所へと飛び立って
あなたはアイスランドに辿り着き
小さな愛を抱きしめるわけだ
此処でも、、
何処でもない場所へ行く

皆、幼い頃からの生きてきた思い出
生活の景色が有る
美しい景色や
泥沼とトラウマの景色
ロマンチックで血の滲む景色

貧困層や富裕層や多種多様な
それぞれの生き様が有る
此処、大都会東京の人もそうだろう
何かを掴むために生きている

はて、、、
関西から東京に移り住んで
もう40年
都会にも慣れて
ずいぶんと時が経った

そして
都会暮らしに疲弊しきって
屑籠へ己を捨てることにした
捨てても捨てても
自分が付いてくる
おまえは、グリコのおまけか?
いつも空を見上げている

人間の欲望は底なし沼だ
美しい言葉を紡いでも
毒を吐き続けても
心の欲望は
コップ一杯の水でさえ
満水にはならない

都会暮らしは
満ち足りない自分を
見ぬふりをして生きる場所
厳しい場所だ
無の繋がりを求め生きる
誰かは
少しの安らぎを
求めていたのかもしれないし
考えるヒマもないほど疲れていた

ブルース・リーが
水になれと教えてくれたが
どうすればいいのだろう?と
未だに答えがわからない

たぶん
考えるからわからないのだろう
テキーラを満水にしても
オレは楽しく呑めるのに

溢れる自然を求め
勝手気ままに山梨へ居を移し
それからは、仕事場への移動の日々
そこそこ大変だけれども
人生の楽しみ方を理解できた
やるべきことは全部やったし
足りないのは
金と知識と毒と愛のギャグだけである

そういう思いの中で
癌治療中の坂本さんの美しい言葉が
東京新聞の一面に出ていた

東京で生まれ
東京で育った人達は
大昔からの人達が
守り残した自然を壊してはならない
既得権益のために
東京を壊してはいけない
そりゃそうだ
人間には、生活の権利
環境の権利があるから

世界の国々の
生活様式、生き方、考え方、生きる理由
日本国民は
小さな枠ばかりを意識しないで
一つの豊かさの知識として知るべきだ

今日からダンボールの部屋になる
東京での移動民族のような暮らし
20数回引っ越しを経験した
アホであるが故に
いろんな街に住み感じてみたかった

いろんな東京で住んだけれど
一年間のアキシマーノ
店屋は少ないが
上位に食い込む住みやすい街だった
歳を考えても
最後の引越しだなと思っている
もう、たま〜に車泊できればいい

何がどうであれ
人生は
明るい日差しを求め楽しむもの
大切なのは時間
心がワクワクしている
根の暗いオレが言うのだから
間違いじゃない

来週は、引越し準備の少ない時間
車泊の旅で
海を見に行く予定
天気は最悪模様で最高だ
海は海

雲の隙間の一瞬の日差しが波を映す時
地平線の一直線だけを信じて
生きていきたいものだ

何がどうであれ
坂本さんの抵抗に尊敬の念を込めて
今日も愉快に頑張ろう

「大切な故郷、東京が美しく魅力的な場所であってほしい」
坂本龍一さんインタビュー

https://www.tokyo-np.co.jp/article/238434