吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

負けるな!泰男と優太!

朝歩きしていると、彼らをよく見かける。
オレは仲のいいあの二人を泰男と優太と名付けた。

彼らは二十代で、何処かの工場勤務だろう、
いつも楽しそうに話しながらチャリをこいでいる。
こないだ、二人で朝六時にブロックに腰掛けて
缶コーヒーを呑みながら静かに話していた。
オレが帰り道に通ってもまだいた。
30分は話し込んでいた。

おまえらはスーパーのオバハンか?
と、突っ込みそうになった。
幼馴染なんだろう。
会社の腹たつ先輩の悪口でも言ってるのかもしれないし、
特に生きる目的もなく働いている自分たちのことを
なんだかなぁ〜と、話しているのかもしれない。
と、思いながらいつも観察している。

彼らを見るたびに、自分の若い頃を思い出す。
彼らにも色々悩みもあると思うが、
こうやって、同僚と話しながら
毎日働きに出るだけでもえらいと思う。

自分の若手の頃は精神が荒みきっていたし、
「今の若者は」と言われるだけで腹が立ったし、
理由のない怒りの矛先を、何処で発散すればいいのかわからなかった。
母に、オレはこんなうんこみたいな国で生きていると
気が狂って気違いになってしまうからな、とよく言っていた。
母は、また気が狂いだしたと笑っていた。
若い頃の、自分への理不尽な怒りは大事なのだ。

今朝の新聞にこんな広告が載っていた。

こんなもんで重版されるのか?と思った。
オレなんか13歳の頃から、この闇のような日本社会の同調圧力を
感じていたから、抵抗と反抗のパンクに走ったからまだよかった。
同調圧力なんぞ屁でもない。

勉強もできない、アホのくせに
この資本主義経済優先の日本で、自由に幸せに生きるには
どうしたらいいのかを、15歳から考えて生きてきたので、
見えない圧力のような事はよく分かる。

アホでも、いろんな本を読んでいれば、
全ての嘘やカラクリがわかるものだ。
バブルで皆が浮かれているときも、
底なし沼がやってくると思っていた。
いいことばかりはありゃしない。

ロナ不況も考えない。
オレはマスクをするだけだ。
どっちにしろこの国は、来年の春にロナが収束に向かったとしても。
ますます高齢化社会で中途半端な個人主義に走るだろう。
僕らは80歳まで働かなければいけないし、
この国には自由の本質は無い。
あるのは自由風とか何々風という生き方だけだ。

泰男と優太にオレが言いたいことは、
80歳まで邪魔者扱いで解雇されずに、
なんとか喰っていける笑いのある職業と職場。
自分に向いている、向いていない。
それだけで職種を選ぶと、
自分の人生の分度器の振れ幅がどんどん小さくなる。

俺たちは、年金も徐々に貰えなくなるだろう。
おっさんになってからの転職、転職は地獄だ。

泰男と優太。
君等は、まだまだ体力がある。
抵抗も反抗もできる世代だ。
怒りや欲望もあるだろう。
美人でグラマーな世界の彼女も欲しいだろう。
電柱を見ているだけで勃起してしまう男の心持ちもあるだろう。
泰男と優太、
それでいいのだ。

理不尽な自分自身に怒りの矛先を向けて
電柱を抱きしめるのだ。
今だけだぞ、いまだけだそういう事ができるのは、
だから電柱に突き進むんだ。
頭から血を流してもいいじゃないか。
病院に行けば、会社も休めるぞ!

おっさんになればな、全てが枯れ果てていくものだ。
笑える思い出をたくさん作っておけ。
アホな思い出だけでオレなんか飯三杯食えるぞ。

んじゃ今日は、オレの若手の頃のヒーローをだな、
泰男と優太の魂に響かせるぜ。

ミック・ジョーンズのギターの一発目な、
じゃ〜っっん!!の一発音だからな。
じゃ〜っっんだぞ。
その一音で、仕留めるんだ。

ザ・クラッシュ/小型機関銃
The Clash / Tommy Gun

この場合のTommy Gunは、
「泰男と優太の小型軽機関銃」
小型軽だからそこきいつけてな、

調子に乗っていると、女で痛い目に遭うからな。
まぁ気をつけろよ