吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

昔の男は頭も下もヘルメットは一切付けない責任感

毎日薪ストーブを焚いているので
煙突の状況が心配だから解体してみた
案の定、煙突内部は煤だらけだった

煤の厚さが3ミリを超えると
火災の危険度が増す
金を払い煙突やさんに頼べば簡単だけど
歳を取り危険を感じるようになるまでは
全部自分でやるルールなので
ホームセンターへ行って買い替えた

煙突は縦に長ければ長いほど良い
銭湯の煙突がそうだ
煙は真っ直ぐ上に昇る
風の強さに耐えられる長さを考え
部材を足して少し長くしてみた

良い煙が出た
煙突掃除をしていると
遠くで、ノーヘルバイク男が
バイクでグルグルグルグル
ずっと同じ距離で回っている
結構なスピードでうるさかった

鬱陶しいなぁと思いながら
暴走族がなんでこんなとこでと
じっと睨みつけていると
バイク男がオレに気づいて手を振った
暴走バイクの知り合いはいないが
なんとなくオレも手を振って
なんだろうなぁと思っていると
暫くぐるぐる回って暴走男は
あっちへ行った

昼過ぎに近所のおじさんから
夕方から豚汁やるから千円持って来なさい
と、誘われた

言い方は良くないけど
実際、田舎ではロナ影響東京人は
差別的に嫌われている
東京ナンバーの車を見ると
皆、ビクッとする
常識のない人間だと
ほとんどの人が思っている

オレは田舎に住んでいるのでよくわかる
おまえの都合のいいように地方に来るなと
思っている人は多い
田舎の人は、黙っているので言わないが
地方と都会の違いは現実にあるのだ
両方に住んでいるからわかる

暮らしながらも
そういう空気は読んでいる
オレが東京の居酒屋を経営しているのは
妻の勤め先の皆も、地域も知っているので
なるべく自然体で姿を表さないようにしている
自分は何を言われてもいいが
家族に迷惑はかけたくはないので
しょっちゅう呑んでいた
近所のおじさんたちにも気遣い
呑もうと言えない

今日は、一年ぶりにおっさん四人で集まった
全員オレよりもずいぶん歳上
生きている経験値も何から何まで違う
だから楽しい

小さい頃から、怖い親父に殴られまくった話とか
小学生から軽トラを運転していたから
酔った親父を村の先まで迎えに行った話とか
土に生えているものを沢山食っていると
アレルギーになんかかからないとか
今の時代の日本人の考え方は
机上の論理だけで
幼稚で馬鹿すぎるエトセトラ

じつに先輩方は分かりやすい
オレにとっては、インターネットの検索よりも
経験知識の宝庫なのだ

誘ってくれたおじさんは70歳で
自宅の庭に自分の小屋を立てた
オレと一緒で造るのが好きなのだ
造らないと魂が死んでしまうのだ
なんだか、オレから見るとグダグダだけれど
面白い空間を作っていた
じつに、70歳
人生を楽しんでいると思う
撮影禁止て、誰が写すか!

オレの認める人間は
どんなに知識や金持ちや経験があろうとも
男の基本は、いちいちアホじゃないと駄目なのだ

今日集まった一人に
今日の暴走族もいた

あれは、何をしていたのだ?
エンジンチェクなのか?と
65歳の暴走おじさんに聞くと

最近身体が鈍っているから
どのくらい機敏に動けるか
道路のポールをジグザグ運転してた
と真顔で言う
まだまだ全然イケるなと
まだまだ体力がありあまっとる
と、言いながら笑っていた

里芋の汁が物凄く美味かった
田舎に越してきて
うちの家族を受け入れてくれたのはこの三人
ずっと仲良くしてもらっている
今のオレの気持ちも分ってくれている
本当にありがたい
大人の付き合いである

何故こういうおもろい経験をできるのか?
と、よく聞かれる
良いものを持っている美しい人は
心の開かれた人しか受け付けない
だから、自分の全責任で自分から行く

人間同士だから年齢は関係ない
一の一歩に受け身心は必要ない
自分の受け身心は、一の人間に失礼である
よく言われる二番手の巧みな人間とは?
一の人間に認められた付き合いから
互いの性格を認め合い尊敬の念で始まる

ずいぶん歳上を見ていれば分かる
分からなきゃアホだな
同じ年代と会うばかりでは
上品に言うと世界的な糞人間と
イタリアでも言う