吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

償還・Redemption

春休みも終わったね
クラスも変わり
新しい友達と会えてドキドキしたか?
友達の顔を見て、恥ずかしくてほっとして
嬉しかったか?
皆でグルグル犬のように走りまくりたかったんだろ?
なんだか、ウズウズしてきて
心が湧き上がってくるのだろ?
バレバレだからな
説明なんてしなくていいぞ
きみらは豊かな神の子供なんだから

オレはきみらの声で目が覚めて
寝癖頭を鏡で確認
ずれたパジャマで
よしよし今日も生きてたな
ぶにゅ〜っとチューブを絞り出し
あ〜だこ〜だと歯を磨くのだ

君等の朝の景色を見るたびに
オレは嬉しき心持ちになるのだよ
春だね〜

通勤電車に乗ると耳にイヤホンを刺す
BOSEのワイヤレス耳栓は外音を完全遮断してくれる
電車の音もアナウンスも
どうでもいい会話も
何もかもが聞こえないから良い
眼を開けると
スマホをいじる馬鹿日本人の
群れの様な景色しか見えないのだ
ずっと、電車で本を読むことができなかった
何故か落ち着かないから本に集中できなかった
便所でも、風呂でも、うるさい場所でも
どこでも読める読書家が羨ましい

無音状態になったら読めるようになった
東小金井まで、いつも始発
50分近く座席に座ってる
人生の少しの時間は大切なので
耳栓から音楽は流さない、落語も聞かない
無音の真空のような状態だと
活字に集中できていい
まったく、めんどくさい男だぜ

昔のアウトローな人が好きなので
昨日は野坂昭如と五木寛之の「対論」というのを読んだ
二人でテーマを決めて会話をしている
「青春」という響きのいいテーマだった

二人はオレから見ると
アウトローのインテリだから
哲学的な話をするのだろうなと思い
青春の燃えるような
淡い純恋愛の様な青春の話をすると思ったら
とんでもなかった
ず〜っと若い時分の自慰行為と
恥ずかしすぎる初体験と
数多くのシモネタ話を男とはなんだろう?と
下品に話すのではなく真剣に話していた

鶏と羊は経験したが
最終的には鯨と交わりたかったという話
優しげな象の鼻を見ていると
そういう気分にならないのだとか

男には壁を突き抜けて放出したい
という生命本能があるから
どんな美しい女性でも完璧な満足は無い
それは女性の体の奥には壁があるから
壁を突き抜けられない
空に向かって放出できないという
生存本能とは真逆の意識があるのだろうと
最後まで真面目な話で
自慰行為には夢があるという話だった
いやはや、昔の男は面白い
たいしたもんだと思った

最近は呑んでいてもシモネタ話を嫌う人が多い
それは、ただただ品の無いシモネタ話だからだろう
シモネタ話を拒否する人は信用できないし
男女の間でも、真剣にそういう話をすると
必ず平等意識の小さな笑いがある
あたりまえの話だけでは
会話というものは、まったく面白くない

三人チームで
このへんかな?
もすこしみぎかもなぁ〜
そこっ!
と、三人で何かを隠そうとしているように見えた
向こうの車掌は審判で
「もう探すやつがくるから、おまえらたいがいにせ〜よ」
と、言っているようにしか見えなかった

電車関係は複雑で気になるね

 Redemption / Nathaniel Rateliff & the Night Sweats