吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

水玉模様の月の光

大都会の青梅から自宅へ戻る
風が強くて空には雲が走っている
遠くの山々が気持ち良さそう
丸見えの富士山には
きっちり雪が積もっているぜ
自然も人間も
それぞれに個々役割良き姿ぞ
と、腕を組み偉そうに頷く

最近は、ほぼ鉄瓶フェチ
柔らかな湯に、たまらなく惚れ込んでいる
プロに言わせれば
1年目の鉄瓶の湯と、10年目の湯では
雲泥の差で甘みが増すとおっしゃる
大昔から洗うな手を入れるなと言う
鉄瓶は生き物

物事に余計なモノを足すなと言うが
人生は引き算かもしれぬもな
身近には
一生モノを大切にする事

削いで行くには
己の芯が貫いていないと
何もやっても見せかけか、、
馬鹿は削ぐ程に無駄な心が太る
鉄瓶一つ学ぶ事多し

ゲームウオッチのボールが脳トレに良いので
離れて暮らすイケメン息子二人に
アナログのゲームに挑戦してみる
DSというのを買うから教えろと伝えると
もう使わないからDS3機械をくれるという
貰うも、指紋だらけだった
貴様、男なら譲るも売るも同じ事
きちんと拭き掃除くらいして渡せ
そういうとこやと相変わらずの馬鹿息子
それでもありがとう
白黒の野球ゲームを入れて試すも
ゴロもとれず、なかなかむずいモノだった
走れない守れないは、野球ではありえない
ザ・ゲーム
まぁ、こういう経験もいいものだと思う

うるさい娘が、近々修学旅行に行くらしい
ロナで近場の栃木県になったと聞いて
そりゃ〜近すぎだな
うるさいからもっと遠くに行ってこいと言う
本人は楽しみにしている様で
腕時計をはめて修学旅行へ行きたい
ネットで調べたから買ってくれないかと
嘆願された

どうせ買うなら宝物の様に
大切にしたい思い出の時計を買いなさい
壊れてもずっと面倒見てくれる店で買えと
時計の昭和堂にすぐに連れて行った

いつもの優しい店員さん
親切丁寧に娘に対応していた
あ〜しろこ〜しろと口は出さない

彼女は、気に入った時計があって
じ〜っと見つめていた
見てみると、本体は良いけれど
ベルトがワニ皮みたいで悩んでいた様だ

ベルトを外して
別の柄をつけてもらえばいいじゃないか?
と一言アドバイス
店員さんが
良い感じのシンプルな革のベルトを差し出したら
じつに気に入った様で
フランス製の柔らかい皮のベルトだった
ベルトを差し替えて腕に巻かれるときに
なんだか、恥ずかしそうだった

何を照れるかね?と聞くと
小さな声で
今日歴史の授業で忘れない様に
手の裏に描いたから恥ずかしのだと言い
ささっと手を隠した

見てみると太い字で
“東郷平八郎”と書いてあった
すでにギャグがオレを超えている
少し負けた感じがした
ずいぶんと成長したな
たいしたもんだ、、

家に帰り酒を飲みながら
静かにシナトラを聴く
今日は一人にしておくれ

 Polka dots and moonbeams