吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

君が、徹底的に闘い潰す美しさ

工事が始まった
二階の窓から遠くに建売住宅の集合体が見えた
内部解体解体大工泥まみれの図である
しかし、さすが仕事が早い
プロは違う
大工職人との酒は良い
懐かしい感覚
全てを逃さず脳裏に刻んでいる
アイデアの味の素

高速を飛ばし田舎へ戻る
サラリーマン時代の弟子のような後輩から連絡が来る
毎日、中野で後輩を引き連れて呑み歩いていた
オレ以外は皆一流大学卒
勝手なオレの部署の後輩へのルールがあった
きみらは組織の奴隷じゃないんだから
残業はするな5時にタイムカードを押せ
定時に仕事が終わらぬような
とろい人間になるな
これだけだった

他の部署は八時九時まで働いていたが
自分たちのその時間は
居酒屋でネクタイを鉢巻に
馬鹿面で毎夜グレープフルーツハイで
ウマイウマイとアホ話をしていた
新卒の歓迎会は毎年スナック
皆が酔うてくると
誰かの一声で新卒に行って来い
の一言
行かないと新卒は殴られるので
興味もないのに一人風俗へ行かされる
新卒は、毎年ニヤニヤと照れた赤ら顔で
スナックへ戻ってきて
皆に歓迎されるという
無茶苦茶な組織だった
何故か、チームワークがあり
上下関係がはっきりしていて
売上は常に良かったし
皆、仲間意識が強かった
部下を守るというのは
皆解っていたようだ

その中でも特にアホな後輩が岩手で
サラリーマンを続けている
何度か元気にしてるか?と会いに行った
あの頃のサラリーマン時代は毎日酒を呑む
面倒くさいのでオレの車を彼に預けていた
彼は、何故か近所に引越してきて

毎日車で迎えに来た
二日酔いでいつも後部座席に座り
新聞を読みながら
わざと偉そうに通勤した
社内的にも上司からも嫌われ
不思議がられたが全く関係なかった

その後輩が
悩んだ末に長年続けたサラリーマンを今月辞めて
家業に専念することに決めたとメールが来た


お久しぶりです。
私は無事です。
最近こちらの地震が多く又何かしらあるのではと
ドキドキしています。
今週、栃木宇都宮の息子んとこへ行く予定でしたが
福島で新幹線が脱線したので断念しました。

コロナ過、飲食に影響が出でいると思いますが、海風はいかがでしょうか?
いつかお金を落としにいきますので・・。

3月末で会社を退社し、家業の家畜・コメにウエイトを置くことにしました。
5年後、目標は親牛(繁殖)20頭位にして
一年間安定した経営が出来るようにする事。
潰れたら笑って下さい。


あいかわらずのアホであるが
気持ちは同士だ
オレが会いに行ったときは牛が3頭居た
彼の眼の奥に、牛に対する愛情を見た
牛を本気で育てろと何回か言った

男は人生の中で何回か孤独に耐え
一人で勝負をしなければいけないときがある
間違いなく彼はやり遂げると思う
ダメな後輩を信じている
最高に嬉しい便りだった
ありがとう

我が家の桜の芽も
チューリップも芽生えてきているぞ
おまえも負けるな
犀の角のように
我が道を突き抜けろ