吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

Helsinki

あっという間に咲き乱れて
あっという間に散りだした
忙しすぎるね
ザ・桜
目の前を歩くお爺さんがいい雰囲気を出していた
お爺さんのように
ゆっくり歩き、ゆっくり散っていけばいいのにな
桜も慌てることは無いだろうに
あっ、知らない爺さんに
散っていくとは
これは失礼だな、、

四月は忙しの月というが
離れて暮らす息子たち
次男が、就職したそうで
大阪の心斎橋でアパレル会社の研修を受けているという
どんな業務をするのだ?と聞いてみても
イマイチ、本人がよくわかっていないらしく
アイツらしいなぁと
笑ってしまった

必ずビッグな男になると
宣言していたけれど
今のところは
きちんとアホレルだな
きちんとオレの阿呆なDNAが刻まれている
愛しい息子なのだ
クジラの様に、好きなように我道を歩んで往け
恐れることはなにも無い
生きているだけで良いものだ

店への通勤途中
初めて電車人身事故に遭遇した
90分JR中央線は動かなかった
大工さんとの打ち合わせにも間に合わず
着いた頃には、クタクタだった
電車通勤の人、、
ありゃぁ毎日大変だ
すごいストレスだろうな

ずっと探していたARABIA
大ぶりのマグカップがやっと届いた
1960年のフィンランドのヘルシンキ生まれ
オレよりも先輩
自宅に一個あるけれど
この陶器の重厚で
口当たりの素晴らしさに痺れてしまい
ずっと探していたのだ
ビンテージにこだわりはないけれど
良いものは良い
これ以外のカップでは味が違う

これをデザインしたのは女性
若くして亡くなったそうだ
無骨な中に繊細さがある
いやはや素晴らしい
まだ刻印も残っていた
一生の小さな宝もの
質素でも貧乏くさくなく
生活の景色を溢れるように彩ることは
生涯の己の幸せにつながり
近くの人を豊かにする

人間にも少しくらい
生きている意味があるものだ
生活の景色でヒントを得たなら
少し前へ進める
貰ったものは何処かへ返す
日々の循環
己が生きている意味

えらそうに
そう、信じている

最近は
毎日サウンドにビンテージ色のある
ソウルばかりが部屋で鳴っている
ソウルは暖かい
旅に出たくなる