吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

想い出とホッピー

労働帰り道に国立駅へ寄る
久しぶりに行きたかった店
居酒屋三幸さんへ行く
以前、国立に住んでいたので
20年前から
仕事帰りに一人でよく行った店

先代の御主人には独特な面白さがあって
店の仕事終わりに閉店間際に寄ると
もう店を閉めるから
呑みに行こうとよく誘ってくれた
近所の大学でボクシングを教えていたり
立川競輪が好きな方だった

だいたい韓国料理屋に呑みに行って
二軒目はスナックに行く
カラオケが凄く上手だった
バリトンの声でフランク・シナトラの歌を歌う
オレは歌わないので
いつも少し呑んで帰った

氏は、残りの人生を楽しみたいと
店を3ヶ月休んで世界の船旅に行った
無くなる前に、全世界を見てくると
また3ヶ月休んでいった
人間関係が好きではなくて
一人で行動する思考が自分に合った
女性が好きで、色んな国の港港で
出会うひとだった

”着いたらまずは散髪屋に行くんだ
そこで、女性のいるいい店を
紹介してもらう
髭を剃るときにナイフを首に当てるだろ?
外国の散髪屋ではナイフは危険だ
なめたことを行ったら
もしかしたら殺されるかもしれないだろ?
けど、信用されると
イイ女をしてくれるんだよ”
ニコニコして語っていた
まさに豪傑である

昔、韓国料理屋においでというので
仕事帰りに寄ったら
白人女性三人と呑んでいた
びっくりして、どうしたんですか?と聞くと
話しかけたら着いてきたと言う
下品に口説くわけではなくて
きちんと礼儀正しく女性に対処していた
その辺の半端なくだらぬ男ではなかった
いやはや、我が道を往く豪傑男であった

サラリーマンを辞めて
親父さんの跡を継いでいる
息子さんと少し話した
継いで12年経ちましたと言う
早いものだね
だんだんと親父さんに似て来てる感じがするよ
嫌かね?と笑いながら聞くと

嫌じゃないですと言っていた
この店の油そばが何処よりも好き
鶏皮生姜も美味いんだ
男酒は、いつも一人
あ〜また喰いたくなってきたな
また行こう