吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

あたりまえの日々

五時起床歩く歩く

山梨では
すれ違い様に、知らぬ人に挨拶するし
声を掛けずとも、必ずお辞儀する
細道が多いので、運転していても道を譲る
譲られると必ず会釈する
互いに気持ちが良い
あたりまえのこと

子供も同じく大きな声で
“おはようございます!”と挨拶する
あたりまえのこと
頑張らない地域の育て方
縦と横の社会の関係性

鉄鍋で飯を山の冷水で炊く
水加減、ほぼ完璧に習得
20分蒸す
新米は、美味い

午前、主治医の定期検診に行く
体重を少し落とせば完璧と言われる
“新米が美味すぎて落とせない”
とオレが言う
主治医は苦笑いだった

昨日、ヤングケアラーのドキュメンタリーを観る
それぞれの家庭の事情
身体が動けない親
中学生から自宅介護する若者

ザ・都会

頼る人は、近所には居ない
友人も居ない
家のドアを開ければ
隣の人の顔も知らない

介護で高校へ行けず
高校通信教育でパソコンへ向かい
自宅で勉強する
相談する人は居ない
できるならしているさ

赤いスイッチが光ると
母がベッドから呼ぶ合図
飯、洗濯、介護の繰り返し
勉強する時間が減る
母を風呂へ入れ
全ての世話を息子がする

反抗期と重なり
互いにストレスを感じ
難しい日々は続く

一人の福祉関係者が呟く
“縦の枠組みだけでは
弱者は救えない
縦と横
地域社会の成り立ちがあってこそ
弱者は救われる
そういう国になって欲しい”

ずどんと心臓に突き刺さる
日々、考えることだ
人の為に生きること
人は一人では生きられない

山へ水を汲みに行き
古民家へ向かう
標高630メートル
いい場所だった
ここなら獣は出ないだろう
畑を見て方角を見ていると
溢れるようにアイデアが浮かぶ
土間のある暮らし

最近
イトウのもつ煮とおでんが出まくる
どうやら美味さがバレたようだ
味を落とせと言っている
縦と横の世界