吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

ぐだぐだとしつこく生きる方法

毎日店の前を通る男の子が話しかけてくる
店の看板文字が物凄く気に入ってくれていて
いつも褒めてくれる面白い子なのだ
手描きのデザインは、オレの娘
天才次女の習字作品
男の子が、あまりに気に入ってくれていて
家族と呑みに来てくれた

男の子は感動して
次の日に手紙をくれた
座りながら海風の内装の
建築図を書いていたのだ
滑車に驚いて腰を抜かしそうだったらしい
一番美味しかったのはバニラアイスだったそうだ

あのなぁ、、
看板で嬉しそうな写真まで入れてくれて
将来は、一級建築士だろう

嬉しいのだけれども
オレは、一日入院して手術をさっき終えた
病院のベッドの上である
心配性なので大腸ポリープをとったのだ
医者は、まぁ大丈夫というが
気になっていたので
育つと癌になるから取ってくれと
予定を入れて今日とったのだ
きっちり心配性だからな

オレは、ぐだぐだと長生きしたいのだ
楽しいことしかしないのだ
太く短く生きるなんて嫌だな

これでスッキリ!
とは言えない、、
昨日の夜から明日の昼間まで
水しか飲めないと言われ
腹が減ってしょうがない
今は、生姜焼きに豚汁が喰いたい

アナルから血が出たら教えろと
若い美人看護師さんに脅されている
点滴を外してくれと言うたけれども
看護師さんは、ぜんぜん抜いてくれない
なので、大人しくしていよう
それにしても天井が無機的だな

もんたよしのりが亡くなった
もんたよしのりは
高校時代、仲のいい同級生にそっくりだった
彼はブルース狂いで、オレはパンク狂いだった
オレに、ボブ・ディランの偉大さを
四畳半の部屋でコーラを呑みながら
しつこくしつこく三時間
オレに説教したのも彼だった
しつこい男は良い
だからオレは
もんたよしのりが大好きなのだ

無くなる前のインタビューを見たけれど
完全に、顔が出来ている
生き様が、顔にあふれているし
反抗的な男は、歳を取ると謙虚になる

歳を取るにつれ、、
自分に誠実で、自分に嘘をつかず
心情を誤魔化さない
美しい心の男しか信用できない
相手と話すときも
別け隔てなく、その人を思いながら
きちんと伝えようと
もがきながら話す男が好きだ

もんたよしのりは最高だ
また、唄ってくれ
もんたさん!!