吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

タイマー

店で流れる音楽が素晴らしいと褒められる
自分の聞きたい静かな音だけ流している
ど派手な音で低音が効き出すと働く気にもならない
耳に悪い話し声や会話もしんどいが
酒呑み相手の商売なので
まぁしょうがないとスルースルー

外食に行っても
私には店の音がうるさすぎるし
天気や時事の話題
テレビで知ったニュース話
本質皆無の知識の欠片もない話
頭痛がしてきて
吐きそうになるのでスルースルー
街中には
何から何まで品の無い音ばかりで嫌になる
耳が良いのだ
わかる人にはわかるだろう
しんどいのだ

家でも音を流している
音楽は家具だ
生活の音は
遠くで静かに鳴らせるものだ
都会の家では小さなスピーカーを
壁の端の手すりに置いて鳴らしている
この場所が一番心地よい音がする
Bachが心地よく流れる

生活を彩ること
明日、カレーを食べたくなったので
深夜にカレーをつくり
ぬか漬けを仕込んだ
歳を取るにつれ忘れる
コトコトと炊いている
ストーヴの上の鍋さえも忘れる
自分には3つのタイマーが必要
お湯を沸かしても忘れるからだ
情けないけれども
自分と向き合っていかなければならない
何も恥ずかしいことはない
いつも魂をさらけ出して
自然体で生きていれば幸福だろう