吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

地獄の笑顔

店の珪藻土のコースターが古くなったので
コースターを探していた
綿布のコースター
センスの無い
ダサダサなコースターを探していた

ぴったりなのがあった
明日、店に届くだろう
置いてみると、じつに落ち着く

居酒屋 海風は、
温かいおしぼりを手渡しで客に出す
夏は、冷たいおしぼりを手渡しで客に出す
コップが、びしょびしょにならないように
客に、コースターを置いてあげる
いつも、それぞれの客の気質に気を配り
落ち着いて静かに呑める様に
仕事の疲れを癒せる様に
くだらない話を客にしない

今時分の店は、
薄々の使い捨て濡れナプキン
コースターも無い
それが、普通
経費もかかるし無理だし
安くしないと客が来ない

この不景気の物価高のなかで
よくがんばってると思う
人ごとみたいだけど、、、
人が見ていない場所には
お金がかかるし
労力もかかっている

それが店なんだから
仕事なんだからあたりまえだろ?
と、言われるだろうけども、、
心の中ではね、、
そういう奴は背後から
ガラスの重い灰皿で殴りつけて
己の姿を見られぬ様に
首を絞めまくっている心持ちだ
イトウもそう思っているだろうな、、

可愛いコースターだ
可愛い顔で
噛み殺してやるぜ!の
地獄の笑顔だ
人が喜ぶ姿が嬉しいだけ
いつまでもそういう姿勢で
属さずに生きていきたい

今日は、
標高607メートルに貸家があるというので見にいく
全ての武器を使い
いろんな物件を見に行っている
いつも新しい空気を吸っている
完璧な人生
幸福論では、負ける気がしない
そろそろ風が吹いても良さそうだ

戦争は、まだ続くだろう
先見性は、大切だ
ガソリンは、春に値上がりするだろう
燃費の悪い車は、処分
デーラーへ行く
いつもの若手の営業マン
下取りに出すから
燃費の良い車と交換しようと交渉
あれやこれやと出してくる
いつものように
駆け引きは嫌いだ
安値なら他で売ると、
いつも大根を買う様に車を買う
エンジンルームも見ない
試乗もしない
彼は、必死で見積もりを出す
考えとくよと去る
車に愛着はない
人にも、何にも
もはや、、
溢れる愛はあるけれど
何に対しても所有欲がない
車は、燃費よく走れば良いだけだ
くだらん
酒屋にジェムソンがあったので
抱きしめる様に買う
夜、美味いなぁ美味いなぁと呑む
呑みながら呑みながら
嬉しい話を聞いた

次女曰く、
と〜とは、何にも無かった所で
自分から人と出会い
その人を喜ばせて
愉快にさせて
いつも楽しい空間を作っている
すごいと思うと、言ってたと

あっそう、、
と、さりげなく聞くふりをした

けれど、正直、
嬉しすぎて泣きそうだった
ジャンプして、
天井に頭をぶつけるくらい嬉しかった
優しい娘だ

オレはオレの先を征くぜ
褒められれば褒められるほど
嬉しいものだ
天井を突き抜ける様な
馬鹿男であるけどな、
まぁ、友よ、一杯やろうぜ、、