吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

Persian Love

どんな男も
何も知らない若い頃はそうであろうが
わたくすも、、
見聞きすること全てにムカついて
電柱を見ただけで勃起して
憤りの無い怒りを抱えていた
誠実にパンクな高校生の頃

偶然
ラジヲで聞いたホルガー・シューカイ
世界音楽のあまりの美しさに
びっくらこいたのを覚えている
それから、わたくすの
パンク的民族音楽の旅が始まった
ホルガー・シューカイ
心の先生であるが
ずいぶん前に亡くなっていたそうで
ショックだ
一人アパートで発見され
原因はわからずとな、、
さすが、変人ホルガー・シューカイ
ホルガー・シューカイの作品を聴きながら
イラスト日和

どうにも圧倒的な富士川
あの景色は、脳裏から離れない
大河に心を揺さぶられている
だめだだめだ
すぐに影響を受けてしまう
好きだと思ったら何でも好きになる
衝動的なのだ
魂がパンクだから

だめだ、我慢できず
行こうと決めたら即行動
自身、じっとしている日々なら
自死した方がマシだ
いつもそう思う
先祖は、遊牧民
山梨の南の果てへ向かう

こないだの町営温泉を目指す
この源泉湯は、一日中身体がぬくぬく
凄い効能だろうな、自然は凄い
500円を機械に投入
新しい硬貨は使えない
爺さん先客一人

湯に浸かっていると
爺さんと眼があって互いにニコリ

空気を読んだのか?
爺さんが話しかけてきた
胡散臭そうな、誠実さのかけらもないような
くだらない男とは話もしない
時間の無駄だ
59年生きていると、
眼を見れば、男の心持ち位すぐわかる
じゃなきゃ馬鹿だ

おもしろい爺さんだった
自慢じゃないけど
オレは、相手の心を開くのが特技
無口だけれど、心はいつでもオープン
相手は、どんどん話が膨らむ
けれども、、
土足で相手の心に入り込みはしない
サービスもしない
気をつけている

あんたどっから来ただ?
峡東の方からだよ、、
ほうけ!おれの弟は宮大工で塩山にいるだよ
腕がいいから恵林寺も造っただ
うわぁ、そりゃすげえな、、
おれは19年生まれで
65まで遠洋漁業の船にいただ
ハワイ、インドネシア、アジア諸島
世界中廻ったし散々遊んだ
一度航海へ出ると、一年半の契約
一年半、日本に帰れない
キツかったけど楽しかった
金も良かったし好景気だったよ

世界の港港で大型船で食材を仕入れるから
何でも食わしてくれた
ステーキもたらふく食ったし
マグロなんて大トロでも何でも食えた
クリスマスには、、
一人に一個でっかいデコレーションケーキをくれる
あめりか〜は何でもでかいずら、、
マグロは積み込めないくらいに捕ったら
中継の船に移し替えて
ガソリン入れてまた遠洋に出るだよ
世界は広くて凄かったなぁ、、

あんた何しにきた?
家探しだ、、
こういう土地に住みたいんだ
ほう、おれの兄貴が家を売りたいって言ってたな
畑は広いし手に負えない
山一個ある家だ

それ買うから売ってくれって
兄さんに言ってくれ、、

そんな言ったじゃ
親戚中に怒られる
紹介したら怒られる
家なんぞ、ここらじゃたくさん空き家があるづら

おれの二階建ての家はなぁ、
知り合いから月1万で借りてる
八畳間が四つで充分暮らしてる
風呂も便所も全部ある
年金が、15万
散々遊んだし酒も呑んだし
もう、たいして金も使わねぇからな
何も必要ないな
あとは、落ちぶれて死ぬだけだ
今の世の中は、景気は悪いし酷いもんだな
これじゃあ、生きていけねぇじゃんなぁ、、

話好きの面白い爺さんだった
こんな小さな景色が
自分の心模様に響いてくる
いろんな人間が居る
人間民族学は面白い

あの爺さん
眼が白くくすんでた
爺さんには、言えなかったけど
白内障の重度だ
早く医者に見せて手術すればいいけどな
眼が見えなくなっちまう
爺さん世界中を見すぎたんだな
良い女もたくさん見ただろな
男は、人生の経験値だな、、

役場へ行ってみた
古い家を探していると聞いた
何軒か紹介してくれた
ひとつ畑と広い倉庫のある古い家があった
来週見てみたいと伝えた
気分がいいので
富士山を見にいくことにした

峠を越え
本栖湖へ向かった
何度見ても
富士山は、圧倒的に雄大だった
ハンドルを握りながら静かに想っていた
圧倒的な、幸せは、、
自分から掴み取らないと
何も始まらない
向こうから歩いては来ない
もうすぐ還暦だけど、、
しっかりしろよオレ
地獄と天国だぞ