吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

やんわりと人の話を聞くことよ

世は3連休
今日は、大工さんが休みなので
邪魔にならない様に出向く
こないだ薪ストーヴの設置場所を大工さんと話したが
さっそく、めがね石を壁にはめ込んでくれていた
もう、フロアも貼っていた
仕事早いな、すげぇなぁと驚く

今のフローリングはとても綺麗だけれど
新築のマンションや建売住宅も
ぜ〜んぶ12mm厚位のベニア板に印刷された
薄いシールみたいなものを貼っていて
板同士を差し込むだけで
木だからと、ワックス掛けなんて
何の意味もないベニア板だ

よっぽどお金をかけた家は別だが
無垢のフローリングは、物凄く高い
けれども裸足で歩くと気持ちがいい
家の狭い小屋には
檜の無垢板を貼ったけれども
肌感覚が違うし夏でもベタベタしない
今は、便利なものが多いので
なるべく、家にお金をかける必要はない
家に何千万のローンを組んでも
今の家は、安い材料を使っているので
30年後には、屋根も壁も木材も傷んで
リフォーム代に追われると聞く
今の人たちは、共働きで
部屋も締め切り家に風が入らない
家には、いつも誰かがいないと傷む
だから、昔はよかったという
爺さん婆さんが家にいてくれたから
いつも家に新鮮な風が入っている
今じゃ二世帯住宅で別々だな

雨がよく降ったので
今日は、クボタの耕運機で
いよいよ畑耕しと決めていた
朝の八時から午後二時までかかった
泥の様な汗をかく
雑草の生え方がイマイチだったので
土から改良しなきゃと思っていた
耕してみると石もなくて柔らかだった
嬉しかったのは、コオロギやカマキリが
飛び出してきて虫がたくさん居た事だ

土が良くないと、虫はこない
ほっとした
クボタでガンガン土を耕していると
オイオイナンダナンダと
いろんな生き物が飛び出してくる
ミミズがいたのでガッツポーズ
ミミズは、土の神様だ
ぐんぐんトンネルを掘って
通り道には、空気を入れてくれて
水捌けの良い土になる
ニヤニヤしながら汗だくで
森の日陰で休憩しながら
無理はするなよ、年寄りだからなと
凍結茶を飲みながら
自然を噛み締めていた

もうこの広さでいいだろう
一人じゃ向こうまでの野菜作りは無理だ
いつまでも若くはないのだから

遠くの畑から睨む様に
オレの姿をじろじろ見ているおっさんがいた
だんだんと近づいてきたから
なんだろな?嫌〜な感じだなと
笑って手くらい振れよと思う
世の中、何があるかわからない
いざという時は、負けるわけにはいかねぇなと
一応タオルで拳を握り締めて
いつでも殴れる体制は整えておいた
最悪、耕運機のぶっとい刃で
ゴツゴツゴツとやっちまえばいい
敵は、手ぶらだったけれども
ズボン後ろに
ナタを隠し持っているに違いない

近づいてきたら爺さんだった
爺さん、名も名乗らず

畑に何か植えるんけ?
ずいぶん家の工事しとるの〜
あそこは、広いでなぁ〜
昔は、村の商店だったでな、、
あんた?あそこに住むんけ?別荘け?
店やるっちゅうけどいつやるで?

たまらん感じである
悪い人ではなさそうなので
やんわりと話を聞く
いやはや、田舎は凄い
インターネットよりも情報が早い
人の噂は、隣町まで飛ぶと言う
たぶん役場から
大袈裟に広まったのだろう
こないだ、少し話した3人も
同じことを大袈裟に話していた
個人情報が筒抜けだ
東京で店を開いていることもバレていた
まぁ、どうでもいいけど
面白くもない話ばかり聞かれて
鬱陶しくなったら
そうだな
嘘ばっかりついてやればいい
オレには、オレの流儀がある

土足で入ってくる様なバカ男は
分厚いガラスの灰皿で背後から殴れ
何度も殴りながら謝れ!謝れ!と言えばいい
反撃できないように気をつけろ
話し合いなんかどうでもいい
とどめを刺すんだ

酒に酔った父がいつも言っていた