吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

愛と誠

森を抜けて大都会
所用ありきで千葉幕張へ飛ぶ
西葛西で宿泊
息子二人と一年以上ぶりに会うので
東西線で日本橋へ向かう
ザ・日本橋
35年前
稼ぎまくったサラリーマン時代に
よく来た街
あの頃の景色とは随分と変っていて
地下から登ると
何処にいるのかわからなかった

高島屋だけは昔と同じで
モダン建築が素晴らしく
昔のままのエレベーターで
品のいい香水の匂いがプンプンしていて
美しいエレベーターガールは
今でもきちんと仕事をしていた
娘、女子部にも本物の景色を見せてあげたい
と思いながらエレベーターを降りた

息子二人と焼き鳥屋で待ち合わせ
久しぶりの乾杯
それぞれの近況を聞く聞く聴く
商社と花屋
それぞれに自立している
最近、二人とも世田谷に越したという
芝から世田谷
大都会だなぁと大ジョッキを呑む
彼らは彼らなりに将来を考えていて
20代は都会の良い部分を味わい観察して
田舎で暮らすとのこと

今の若者は、この時代をよく知っている
金を稼いで、結婚して、子供を育て
タワマンに住み
便利な東京で生涯暮らす
と、いう願望はゼロらしい

また、彼女が変ったと、、
子供は欲しいが、結婚願望はなく
沖縄で暮らすことを夢見ていると
さすが、女好きのオレの息子

子供も結婚にも興味はない
彼女も必要ない
一生独身で暮らす
自分の好きなことをして
好きな仕事をして
田舎で暮らすこと

それぞれに
自分の考えがあって素晴らしい

自分が本気なら
どんな夢でも必ず叶うよ
オレがそうだからと
希望と政治の話をする

今の時代
昔と全然違う彼らの考え

会社に愛着は皆無
スキル(なんだそれ?)を磨いて
次々と転職して
自分に合う場所で働く事
自分の生き方で生きる

もはや、昔のやり方は通用しない
良いのか悪いのかよくわからない

息子は言う
この国は、若い世代が
考えないように
なんとなく生活しているという
そう思わせる仕組みがある
政治に興味も持たせない
それをずっと観察している
と言う

なるほど
誰もが好む事は
保守的な考え方
保守派の思考じゃないと
皆は、飛びつかない

そう考えると
オレ達は完全に左派
人の欲しがるものは
全く欲しいと思わない
名誉も地位もゴミ箱に捨てる
必要のないものは持たない

あっ
それ、オレがあげたやつか?
と、驚いた
息子が高校生の頃に
プレゼントしたナップザック
今でも持っていてびっくりした
親父の肩身だと思って
大事に使っているんだと
俺はモノ持ちがいいから
なんでも大事にするんだと
泣かせるような言葉を頂く

そ、それな?
怒らないで聞いてくれ
昔、彼女に
誕生日プレゼントにもらって
別れたら思い出も捨てるだろ?
使わないから
すぐにおまえにあげたんだ
女はな、新規だ新規

息子ぎょえ〜っ!
何という親だっ!と爆笑

気持ちはわかると、
でも大事にするんだと言う

いい事だ
じゃあ次のバッグをあげるからな
まだまだ子供も作るから
爆笑で乾杯
電車で戻る息子の姿は
ず〜っと可愛らしい昔のままだ
生涯ダメ親父で
ごめんちゃいな〜どれすのぞきたい