吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

江戸の文化調査

千葉県幕張へ飛ぶ
巨大な埋立地、大工業流通地帯
ここまで埋め立てるかねと驚く
大型マンションが立ち並び
聞くところによると
為替の影響で、今は中国人が
大規模マンションを買い漁り
ほぼ人は住まず転売転売の図
オレには理解できない生活である

船橋市場調査
デカすぎてここも驚く
市場食堂で刺身定食
東京の下町からの沿線
驚くほど物価が安い
赤羽、葛西、船橋と
大衆居酒屋がひしめいている
庶民の街、江戸
本物の江戸=東京である
東京都下と言う場所は東京ではなく
単なるベッドタウンと感じ入る
江戸東京街は山手線右半分から千葉であり
あとは、地方出身者の住む場所東京
江戸とは思えない
別世界の感じ
物価高と騒ごうが
庶民の物価というものが確かにあった

行く店、行く店
全ての価格が安い
信じられない
大概の店は相席でカウンターは狭く
人が通れないほど
これも文化、互いに譲り合い
一人客が多い
さっと呑んで帰る
まさにセンベロ
客単価は2000円もしない
で、早くて安くて美味しい
何処も店主は客と一切話さず
淡々と仕事をこなし
ささっと酒を注いでドンっとカウンターに置く
その雑さがまた粋で面白い

ダラダラと酒を呑む自分にとって
江戸下町の庶民景色は
店も客もあっさりしていて
なるほどなぁと感心する
これも生活文化
グダグダと話しかける人は皆無
これも民族学の景色
日本全国津々浦々の庶民の景色
じつに勉強になる
旅は面白い

開放的な場所が好きな自分にとって
あの狭さは、じつにキツいけれども
仕事帰りに一杯呑んで
どの店も常連客が偉そうにしていない
じろっと見られないあの空間
ささっと帰る
あの景色はいいと思う
自分には無理だけど

オリンピックの跡地を眺めながら
高度成長期以来すべてやりすぎ
もはや、どうしようもない
この国の絶望の景色を眺め
渋滞の国道を走る

フェイセズを聴きながら
心滲みて帰路に向かう

こないだ
一つだけ息子達に忠告した
大人は自分に嘘をつく
あらゆる人を疑視、観察して
すべてを考え続ければいい

死ぬまで、すべてを見てから死ぬる
同じ事は糞飽きる
日々のダイナミクスを感じながら
阿呆の人生を生き抜かなきゃ
と反省