一人暮らしの朝は、
キチンといつも同じだ
起きたらトイレを済ませて
風呂へ向かい昨日の残湯を沸かしながら
薪ストーヴに火を入れて、部屋を温め
湯船に浸かりながら歯を磨く
腰を浮かして吊りそうな左手を伸ばし
ふ〜っと窓を開ける
窓の外の寒空に
湯煙が走って逃げていく
寒いから、鼻下まで湯船に浸かり
逃げる湯煙をぼんやり眺めながら
目を瞑り、今日一日の段取りを考える
考え終えると
フルチンで立ちあがり
洗濯ホースを摘み出して
湯船に放り込んで体を拭く
拭いたタオルを洗濯機にぶち込んで
粉洗剤を入れて洗濯機を廻す
昨日の夜
魔法瓶に入れておいた湯を
毎朝、煎茶に注いで
暖かくなってきた薪ストーブの前で
グビグビと2杯呑む
朝飯を食ったらコーヒーを煎れるので
残りの湯は琺瑯ポットに差し替えて
薪ストーヴで温めておく
洗濯物を干して飯を作る
いつも同じルーティーン
ほんで、昨日の沖縄の弟子が呟く
ヴィム・ヴェンダース監督の映画PERFECT DAYSを
みていたらオレを思い出したと云う
多分同じ様な景色を描いているのだろうなぁと、、
女房が死んだらおれもあんな
生活感で暮らしていこうと思うと、、
彼が云うので
オレは云う、
日々、ルーティーンの暮らしが好きな人は
ストイックなんかじゃないよ
心底めんどくさがりで
自分のことをわかっている人で
なんでもキッチリと早く済ませて
わかりやすく白黒つけて
シンプルに暮らしたいだけなんだよと
君は、
日々の暮らし相手に
ストレスではないにしろ気を使って
暮らしている
少なくとも、互いに依存しながら
暮らしているんだよ
後々のことを想像する前に
すべては、
今できないと無理な事だよと答えた
今日は、買い物メモを握りしめて
久しぶりに食材を買いに行った
けれど、野菜が高すぎるので
野菜は買わなかった
明日の朝一番に
農協へ出向いてみよう
帰りに、100円回転寿司に寄った
二つ隣にオレくらいの男がいた
皿を数えると12皿食い終えていた
皿を見ると血の気が冴える
負けられないといつも思う
食い始めたが6皿でもう十分だった
隣の男は、真っ直ぐにそびえ立つように
皿を積み食っていた
まさに男根の如く悠々たる皿モノだ
男はこうでなきゃなと思うが
隣の男に完敗だった
男、最後の締めにうどんまで食っていた
堂々と帰って行った
オレは、よそよそとレジに向かった
娘たちと行っても
オレは、熱燗を飲みながら
ガリを食いながら酒を呑むので
まずは、皿に
ガリをごっそりと入れてくれる
そう考えると
回る寿司屋で気合を入れても
無理な話である
一日中、映画で流れていた
ルーリードの名曲 ‘Perfect Day’が流れていた
全訳本を持っていたので
歌詞の内容は知っているし
ロマンチックな名曲だから
入れておこう
良いお年を、、
Perfect Day / LOU REED
完璧な一日
公園でサングリアを飲んで
日が暮れたらいっしょに家に帰る
本当に完璧な一日
動物園で動物に餌をあげて
そのあとで映画も観て家に帰る
ああ、なんて完璧な一日
君といっしょに過ごせてよかった
ああ、なんて完璧な一日
君はただ俺を中途半端につなぎとめておきたいだけ
君はただ俺をキープしておきたいだけ
完璧な一日
悩みごとはすべて放置して
2人だけで過ごす週末はとても楽しい
本当に完璧な一日
君といると自分を忘れられた
まるで自分がほかの誰かのように
いい人間のように思えた
ああ、なんて完璧な一日
君といっしょに過ごせてよかった
ああ、なんて完璧な一日
君はただ俺を中途半端につなぎとめておきたいだけ
君はただ俺をキープしておきたいだけ
君は自分で蒔いたものを刈り取ることになるだろう
君は自分で蒔いたものを刈り取ることになるだろう