吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

酋長の焔は消えない

昨日も今日も暖かった
朝の4時に目覚めたが
暗くて朝日を布団の中で待つ
毛布も要らぬようだな

森と畑を眺めながら事務仕事
向こう側の土地の所有者が畑仕事していた
一度、挨拶がてら畑で話したことがある
温和な方だった
言うには、母から引き継いだ土地なので
たまに来て畑仕事をしていると、
しかし、広すぎて私には手に負えない
と言っていた

しばらく見ていると
彼は、シャベルで土を掘っている
まじか、シャベルでは無理だろ、、と見ていた
どうにも気になり
事務仕事に集中できない
まぁ、他人に関わるとろくな事はないからな
と、チラチラ見ていたが
くたくたのようで、なんども休んでいた

あ〜だめだ、、
もう我慢できなくなった
長靴を履いて畑に行く
この広さを、シャベルじゃ無理でしょう
彼は、困った顔で
耕運機が、家庭用の小さいもんで
春になる前に少しでも耕そうかと、、
と、おっしゃる

たまらず、言ってしまった
こんど、耕す時に野菜を植える範囲くらい
近場だけでも、ついでに耕しときますよ
と、言うと
いやいや申し訳ないと困り顔なので
気にしないでください
畑が隣同士ですから、と言うと
喜んでいた

一面、草が茫々だったので
よし、やったるかと思い
今度耕す時面倒なので、と
草刈機を持ってきて刈りますよと言って
勝手にガンガン刈りまくった
彼は、オレの行動の速さにびっくりしたみたいで
わ〜っと感動しながら
刈りまくるのを見ていた
あっというまに畑の草を刈ったので
スッキリしましたね〜っと言うと
感動したように笑っていた
じゃ、また、、と去った

道具を片付け終えると
彼は、もう諦めたように
あっさりと車で帰っていた
もうあきらめたのか、、
彼の生き方には
自然との生活が、向いてないんだろうなぁ
と、しみじみと思った

こないだのドキュメンタリー
カナダの先住民イロコイ族の酋長の話
彼の言葉が、魂に響いた

私は、90歳を超えた
でもまだ、伝えていく伝承を
死ぬまで諦めない
私たちは、土地を所有せず移動して暮らす
何も要らない
自然が神様だからだ
今の現代社会を見てくれ
人間は、やりたい放題だ
人も動物も
自然があるから暮らすことができる
知恵や知識があるのは人間だけだ
だから、人間が知恵を振り絞り
動物の為にも率先して
自然を守ろうとする責務があるんだ
だから、伝えなければならない
君もそう思うなら
絶対に諦めないでほしい
私は、死ぬまで諦めない

酋長の顔の深い皺
完全にイカした男の顔だった

トランプ、、
今度は、カナダが欲しいと言ってるらしい
世界には、
溢れるほど理論で話せる知識人がいる
なのに、
あの、トランプ坊っちゃまとプーチン亭を止められない
どういうことだ?

今日は、熱燗
酋長と乾杯だな