吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

究極の痛めどめは、愛しかありません

大都会甲府駅徒歩5分
ワンルーム、セキュリティー常駐、分譲マンション
家賃三万四千円、管理費光熱費込み、南向き、洗濯お湯
不動産屋の広告みたいだな、
糞プライバシー保護が、流行りだそうだが
家賃など別に隠すこともない
インターネットに繋がった時点で
プライバシーなんて曝け出されているものだ
失いたくないものなんて何もない
どうでもいい
この国で、まともに想ひ考えられる人
ふとすりゃ、腹立つことばかりだろ
気が狂いそうになるだろう
日々、
怒りの海峡を寸止めで暮らしている
かもしれないね
OK
ザ・ストレス
この国では、仕事をこなし、残業し
ストレスありきの給料を貰う

イタリアでは、
仕事よりも、
職場のみんなに会いに行く方が楽しみ
とういう考えだ
人間同士の会話がワクワクするわけだ

腹立つ日々で疲れたら
そういう時は、
ケツの穴に
図太い究極の痛目止めを打ってくれ
さぁ、同志、頑張ろうぜ

18歳で働き始め、
給料入ると少しづつ金を貯め
部屋を借りれたのが、椎名町のワンルーム
思い出すと
自立心と、夢が叶ったような気分だった
嬉しくて、
六畳間をガッツポーズでぐるぐる走った
その彼は、61歳児になった
敵は自分の心だと常々思っているけれど
昔の自分を褒めてやりたいと
ようやく思えるようになった61歳児
オレは、いまも変わらないよと
それでいいんだ、と彼に伝えたい

思う処処ありきで
初心に戻ろうと気付いた
魂の根っこは、今もPUNK
所有欲もないしな
ワンルームに戻ったわけだが
昔の元気さはないし
ガッツポーズもでやしないし
とにかく落ち着ける空間だけは捨てられない
清潔感と、品と、シンプル
それだけあれば、どこでも暮らせる

あるもので造り暮らす
何かを造る人の私生活
シンプルで、清潔で、温かみがあって
開放的で美しくなければならない

さぁ、初の自炊朝食開始

まるでお爺さんの朝食だ
でも、美味しい美味しいと
嬉しかったし
畑の白菜と大根が甘かった
さすがだな、と褒める

なんでも、やろうと思えばできるな
いい料理の勉強にもなりそうだ
シンプルだしな、なんでも作ろう
あとは、魚が焼けるように考えよう
面白い生活実験

今、目の前のやるべき事事
直球で見ているその方向性を少し変えていくと
思いがけない、アイデアが溢れてくる

日本人は、歳をとるほど
自分の薄っぺらい経験値の中で善悪を判断し
自分に不利益な事事は削除する
そして、自分自身に枠組みを作る
次第に、頑固になっていく
自分の塀は、けっして崩さない
それが、この国のルールみたいなものだ

人生は、時間
時間のない人は、それだけの人
時間は、奪い取るもの
お金よりも時間が大切

朝九時、女子部2坪倉庫へ向かう
アイデアが降ってくるまで考え考え考える
ある材料で造ろう
壁に板を貼れば、寒さも和らぐだろう
よし、端材で傷だらけの継ぎ足し壁だな
無骨でいい

作業を始めた途端、
84歳のこばやしくんが来る
オレは、”死に損ないのジジイ”と呼んでいる
”まだ生きてんのか?いつまで生きるつもりだね?
年金ばっかもらいやがって、図々しい爺さんだな”
といつもの丁寧な愛の挨拶
二人で笑い合い話す

作業の邪魔なので早く帰れと施す
帰ってきたか!と嬉しそうで
明日ここで酒呑もうと言う
造ってんだよ、出来てからだな、
年末は、派手にやろうじゃないかと言うと
ほんとに嬉しそうだった
笑いがある場所は大切だ
喜んでくれればそれでいい

明日もやるのか?というので
明日もやるよ、と言うと
走るように帰って行った
田舎では、すぐに情報が走りだす
またあのおしゃべり爺さんが
方々に伝えるのだろう
まぁ、しゃあない

朝九時開始午後三時で今日は終わり
昼飯も食えなかった
クタクタなので今日は自炊はやめて
あの老夫婦の静かな食堂で
ビール呑んで飯食って寝よう

イトウちゃんが、
掛け布を作って送ってくれた
嬉しいねぇ、ありがてぇなぁ