吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

華が、そこに落ちてまっせ

都会のいいところは
近場になんでもあるということだ
なので、二日に一度酒場へ行く
昨日も夜になったので
トボトボと歩き稲荷屋へ出向く
何度も通っているので
おばさんも顔を覚えたようで
熱燗を頼むと
2本でいいかい?と、言う
えっ、と思ったが
温めるのもめんどくさいのだろうなと気づき
いいですよと答える

あとで気づいたが、酒が冷める
あれ、なんかそれは違うだろうと思いだした

”一本でいい!こっちは客だ!”
と思えないこの性格
キッチリと言えない感じが
あゝ情けない
ちびりと酒を一口呑んだら
イトウから連絡が来た
”息子さんが呑みに来ています〜
豪華な花を持ってきてくれました〜”と

高価なアネモネ、スイートーピーである
すげえな、花男
あいつは、華があるなぁ、、
なんだかなぁ、この落差
ダイナミクス
情けない親父だな
かけそばに七味をどっさりとかけて喰う
お会計1500円也

寒いのでトボトボと歩き帰る
いいんだ、これで
愚かな人生を噛み締めて生きるのだよ
憧れは、荷風
こういう情けない日々を送りたかったのだから
まぁ、いいじゃないか