吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

I hope you will remember

そろそろ梅雨も終わりそうだけれど
それにしても蒸し暑く
何もかもが湿り気の季節だ
先日、一日の天使が現れた

車で走っていると横にピッタリと
マークするように自転車が着いてくる
その自転車は、昔懐かしい
オレの憧れのドロップハンドルの自転車だった
ドロップハンドルの自転車は、
家が貧乏だったので買ってもらえなかったし
好きな野球部にも、
ユニフォームやスパイクやらが買えなくて入れなかった
赤貧の情けなさに悔くて泣いた
親父が靴なら買ってやると
サッカー部に入らされた
クソ面白くもなかったしムカつく先輩がいて
いつか半殺しにしてやると思うていた
しつこいから、今思い出しても腹立ってくる
俺は蹴りたくなかった
自分の両手で打ちたかったし投げたかった

憧れのドロップハンドルに乗った少年は、
普段着の半ズボンにTシャツ
生意気そうな黒いサングラスとヘルメットを装着していた
少年、そうだよ男は、カッコからだからな
いいねいいね、と嬉しかった
少年は必死で漕いでいた
まるで獲物を追っているようだった

50メートル先に三人のダッサイおっさんの
サイクリング集団がいた
見るからに休日を楽しむ
脂ぎったギラギラ中年集団
ピピピチの派手なサイクリング服
高そうな細い細い自転車
俺たち、ボーナスで買いました的な
金は自分の趣味に使っています的な感じだ
見るからに鬱陶しい
なんだか偉そうに右手でサインみたいな感じで
オレに指示を出しているが意味がわからない

オレは、少年の狙いを定める意味がわかった
あいつらを抜くつもりだ
こうなったらオレとお前で圧倒的に
殴り勝ってやろうぜみたいなね、、
少年は、
ますますオレの車に寄り添うように着いてくる
オレは、
ダッサイおっさん集団の速さを見ながら
殺せる距離を測っていた
ここだと思った距離でオレは
少年に車の前に入れと合図を送った

少年は、オレを見ながら
オレの車の前に入り込んだ
よしっ!とオレは少年に
今だっ!行けっ!と叫びながら
握り拳を突き立てた
少年は、わかったと
立ち漕ぎで猛スピードを出した

オレは後ろを追いかけた
ダサイおっさん連中の横に並び
少年は、一気に走り抜き
圧倒的に追い越して延々と
後ろを振り向かずに抜かしていったのだ
なぜか鳥肌が立ってきて
泣きそうな美しい瞬間だった

やったな少年と嬉しかった
なんだか、うまく言えないが
オレは、何かを失っていない気がした

たぶん、あの少年は
何かを掴み取るために
自分の何かを、超えてみたかったんだと思うのだ
あの瞬間に、
彼は、光を抜いたと確実に感じたはずだ
忘れないでほしい
I hope you will remember
あの魂が震える感覚を、、

夜、店のバイトの飲み会に参加する
普段は、行かない
今の若手の苗字は読めても、名前の漢字は一人も読めない
だから、
一人の名前も苗字も覚える気はない
勝手にあだ名をつけて呼ぶ
ハラスメント?と、言われたら?
クソかお前は?と言うだけだ

なぜ今時の親は?
読めない漢字を使うのか?
親にお前らアホかと言うてやりたい
何を子供に期待して読めない文字を使うのだ?
幸せになれるとでも思うているのか、え?
太郎と花子でいいだろうにね
鬱陶しいから名前無し法案を可決して欲しい
自分の名前は、番号でもいいよオレはね

皆と呑み始めて
吸い込みの悪い子に
なんだ?全然飲めないのか?
飲めばいいじゃないか?と言うと
あっ、はい、じゃあ、、と言う

他の子曰く
いま、そういう物言いは
無理やり呑ませようとする
”サケハラ”と言うんですよ、、と言いなさる
じゃあ、何を話せばいいんだ?とオレは言う
し〜んとなったので

君ら、そんなくだらん
クソ野郎が吐くような流行り言葉や
クソジェンダーかなんか知らんけど
安全なクソ自由を唱える様な
幼稚で下劣な日本の世の中に対して
なぜ反抗、抵抗しないんだ?
教授や上司を殴ればいいじゃないか?
覚悟を決めればいいじゃないか

君ら若手だろ?
もっと過激に生きなさいよ
と、いうことを教えたけれども
ピンときていないだろうなぁと思った

オレが話を聞いたり見ていても
今の賢い大学生の彼らには、
あのドロップハンドルの少年
生きている瞬間の魂の光の様なもの
そういう美しいものは
全く存在しないんだなと思った
それが今の日本人だろう

朝、五キロ歩いて素振り100本
家に戻り、鯵を焼いた
炭3個で焼く方法を獲得

ずっと、あの頃のままだ
i hope you will remember

Houndmouth の新譜
素晴らしかった