都会に於いて
娘ロナに感染と聞きしばし帰れず
熱も下がり回復へ向かう
老舗の街の洋食屋さんへ行く
久しぶりに昭和の老夫婦食堂
カツカレーを注文する
この店は、客席10名ほどの小さな店
すぐに満員になり
入り口近くの兄ちゃんが
入れなった一人客に
”よかったら相席いいですよ”と
男に声をかける
すみませんと男は、お辞儀をして座る
優しく微笑ましい空気感だった
灯油ストーヴの炎を下げないと
火が出過ぎてて灯油が勿体ないから
下げてあげようと思ったけれど、、
老夫婦が、忙しそうだったので
邪魔になると思いやめる
隣のスマホいじりの若い姉さんに
店のおばさんが
”悪いけど席の移動してくれる?”
と、聞くと姉さんはムッとして
自分も水も持たないで移動した
おばさんは、水とスプーンセットを
移動してあげて
大きな鞄はこっちに置いて良いですよ
と、声を掛けてあげても
姉さんは、ありがとうとも言わずに
あ〜、、と一言
イヤホンとスマホを離さず
荷物を置いた
見ていてがっくりした
空いた席に30代の女性が座り
注文をグダグダと迷っていた
出てくる料理をチラチラ見ていて
まるで品がない
驚いたのが、スマホの画像を
おばさんに見せて
これ?日替わりセットですか?
と聞いた
オレはびっくらこいた
おばさんは困惑して
はぁ〜っと困った顔
あたりまえの様にスマホを見せて
まるで、何も損したくない様な表情
コスパかなんだか知らないけれど
終わっていると思った
老夫婦は、たえず声も無く無表情
素晴らしい店なのに、、
オレは思った
ただただ美味しいものを作り提供する店
作り手側の気持ちは、よくわかる
働いている人も人間だ
今の時代の節操もなく
自分のことしか考えない
人として品の無い人々を
日々、見ていると
人は、あきらめの表情に変わるのだ
ストレスを抱えない様に
スルーしないと気が狂うだろう
そりゃ、声も出なくなるさ
ご馳走様と金を払い外に出る
ストーヴの炎が気になっていた
寒い夜
スーパーで甘いパンを買って帰る
あんこを見事に掴んでいたので
買ったのだ
今の時代、
何かを掴んでいないと生きていけねぇな
いつもイトウに言い聞かせている
この国の10人のなかで、
まともな人間は2人だけだよ
そう思って生きていかないと
気が狂うから、気をつけたほうがいいよ
何も期待しないほうがいい
自分が、水になればいいだけだ
まともな人は、二人いるから