あまりのさぶさにポンコツになっちゃうよ〜
と寒さに震えながら寝た
深夜にポツンポツンと雨が降り出した
朝方、少し暖かかったので
もしや?と起きて外を見ると雪が積もっていた
雪のおかげで湿度もいい感じだった
いつもの老犬は大丈夫かな?と
寒さに震えながら散歩していた
遠くから見えてきた老犬の小屋を見る
犬は犬小屋から寒くて出れないみたいだった
昭和か?と思うような運の悪い飼い犬
寒い日は、飼い主が家に入れてあげればいいのに
可愛そうだなと思いながら近くから見ると
犬小屋には、ブルーシートが
掛け布団のように雑に覆われていた
ブルーシートの隙間から
震える表情でオレを見ていた犬
雑な飼い主だなぁ〜と犬を見やると
ぼくはぜんぜんついておまへんわ〜
と言わんばかりの犬顔
残念だが、あきらめろと心で想い
知らぬ顔でトボトボ歩き出すと
爺さんが、桃の木の手入れをしていた
薪がたくさん積まれていたので
爺さんに、これはもらえるのか?と聞くと
もしきの木だからただでやるけど
取りに来る人がおるんだという
話すと、甲州弁が強くて
何を言っているのかわからないし
話が長いのでもういいと思い
爺さんの話を止めて歩きだす
運は天にありきだなぁと
雲海の中のような富士を見やり
遠くの景色を感じていた
家についたら
もう雪が溶け出していた
朝風呂でボケた身体を温めながら
たぶん老犬も生きておるだろ
と、知らぬふりで目を閉じた