吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

待ち遠しい酒場を

昭島クジラーノ
ドアを開けると新聞が溜まっていた
忙しくて読む暇もなかったが
一面を見た途端に崩れ落ちた

人間は、皆愚かだ
信用できる生き物ではない
人間の欲望には底が無いと言うし
大昔から、庶民は権力に騙され続けっぱなしだ
まともな感覚の人間は
何もかもに嫌気が差している
多くの哲学者が欲望について語ってきた

人間は食欲に始まり、性欲、物欲、所有欲
金銭感覚が芽生えては、金欲に走り
金儲けに夢中になる
人生生活が、豊かになりだすと
何かを信じるように
人の役に立ちたいと思い始める
人間は勝手なものだ
社会欲が溢れ出し
だんだんと権力が欲しくなる
そして人間は、すべてが欲しくなる

朝5時に目が冷めて
机に向かい、方眼紙に突入
全ての器具と店の配置図の叩き台を造る
全てをミリ単位で製図
眼がつかれて、夕方ようやく完成した
もう、頭の中には何も残っていなかった

店を始めた26年前を思い出した
皿の枚数もお釣りの金額も
何をどのくらい用意するのかも知らなかった
ド素人だ
よくやれたもんだなと
今では考えられないことだ

人の気力は
若さだけなんだろうか?
あの頃の
オレについて来い
全責任はオレが取る
やってみなくちゃわからないぞ
という
猛烈な自信過剰バカ男の姿は
何だったんだろう?
よく続けてきたもんだと
他人事のように感心している
二度と戻りたくはない

軽トラを置いてある
団地の駐車場は規格が決まっている
田舎ではありえないが
契約上、3cm超えた幅さえも許されない
そのくらいいいだろうと思うけれども
許してくれない
抵抗するのもしんどいので
駅前の屋上に車庫を借りた

軽トラで田舎から出てくるのはしんどい
踏みしめるようにアクセルを踏まなくてはいけないし
馬に乗っているようだ
足首が痛くなるし腰も痛くなるので
もう勘弁だ、、

今回は愛車のJeep
90キロで、すいすい〜とやってきた
昔からJEEP
昔のJeepのほうが良かったけれど
車高が高いし景色がいい
無骨な感じと
アメリカのアンプとスピーカーがタフで良い
けれど、音楽は小さな音でしか鳴らさない

屋上から空を見たら
アメリカの軍用機が近づいてきて空を回り
福生に飛んで行った

今日は、設計士と夜打ち合わせ
何かを造るときは
その日湧き出てきた
関係もない抽象的なコラージュ写真を
造り手に見せることにしている

説明は嫌い
物事は、説明ばかりしていると
相手の想像力が細くなってくるから
何事も
互いを思いやり考え
違う方向へ膨らんでいけば
面白いものが出来てくる
それが造る仕事

昨日は、酒を一滴も呑まなかった
空が暗くなってきたぞ
今日は呑めそうだな
互いに、いい夜を過ごそう