吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

馬牧場で

養老牧場へ行く
競走馬の引退後の牧場
人間で言えば老人ホーム
ここは、馬の為の牧場
そんなのどかな場所
今日は、厩舎を覗けなかった
乗馬の前に馬主が馬を歩かせていた

馬主と馬について話をした
ロープを引く奥さんは72歳
今日は、馬の体調を見ているそうだ
ロープを戻したり伸ばしたり
大周りをさせたり少し走らせたり
ゆっくりとゆっくりと調子を見ている
無理に乗馬はしない
馬に話しかけながら様子を見ている
機嫌が悪いようなら何もしない

馬の寿命は25年ほどだそうで
この馬は22歳
競走馬で活躍していたそうだ
引退後は、こうして田舎で暮らしている
この田舎へ来て
馬が喜んでいるそうだ

馬は、転んで脚で立ち上がれなければ
もう起き上がれない
20分で死を迎えるそうだ
心臓の動脈に身体の重みがのしかかり
心臓への血流が止まってしまうという

サラブレッド馬は繊細な生き物だ
あんな細い足で支えているのだから
美しい身体だった

風の音と馬の蹄の音だけが聞こえる
猫が、オレのバンの下を気に入ったみたいで
近づいても離れない
おいおいそろそろオレは行くからな
と、声をかけると
しゃうがないにゃ〜と
ペタペタと歩き出したのだ

バンに乗って
風の中をロマンチックな
バンモリス〜ンを聞きながら走った