吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

旅の刻印エトセトラ

朝4時に目が醒める車泊
車内の気温は14℃で快適
歯を磨き片手で顔を洗う
眼底骨折の手術で入院した時は
3ヶ月顔を洗えなかった
手で顔をガシガシ洗える今
この顔を洗える喜びを
このバカ忘れぬ様にと、、
日々肝に銘じて感謝している

5時半には堤防へ向かい
黒帯の釣り連中と離れ針を落とす
ふぐを4尾釣った後はさっぱりだ
少し引いたので竿を上げたら釣れた
可愛い顔をしたアオハタ

飽きたから一時間でやめて焼津から静岡へ飛ぶ
釣りの黒帯なんぞ目指さない
しょぼい釣りで一匹釣れたらそれでいい
釣りの黒帯老人がチェアーに座り
釣りの道具荷物に囲まれている姿
物に溢れる隠居老人の姿に映る

所有欲の無いオレに、あの人生は無理
さっと釣ってさっと帰る
そういうのを目指している
何よりも海が好きだから
海の匂いと風を感じられればいい

海は、美しく圧倒的だ
日々、同じ場所、
同じ日々の中で暮らしていると
精神的な、生きる豊かさを失ってしまう
海には、同じ波が無いのだから

焼津から静岡へ飛ぶ
静岡立ち寄り旅は3回目
朝七時から開いている
JR東海の看板も何も無い社員食堂
朝飯を食いに行く
オレも駅長!的な面持ちで入店だ
OK、welcome
平気で入れてくれた

ここは自分で取るシステム
腹が減っていたので色々と搾取
会計700円
美味しくいただいた

午後、銭湯へ
昭和の時代そのままの老舗の銭湯
お風呂セットを持って行く
450円置くも
番台のお婆ちゃん気づかない
あ〜、と一言ニコリ
いいね、この感じ

渋い、渋すぎる浴場
カランは蛇口二つ、熱湯と水
此処にも常連の銭湯黒帯数名
横目で観察しながら
この銭湯の扱い方を見て覚える

彼らは、歯を磨き終えると
下水溝まで歩きぺっと吐き
そこで口をささっと流す
皆、そうしていた

彼らのルールには、品があり
実に清潔な佇まいでシンプル
誰もバスタオルは持たない

湯に浸かりながら
黒帯の金玉裏の歴史を覗いていると
相当使い込んだ、焼杉の刻印あり

男は、全てを清く洗い落とし
湯船に浸かり、静かに目を瞑る
彼らは、グダグダと浸からない
短髪で、ピシッと筋が通っている

いやはや素晴らしい
オレにも焼杉の様な刻印が欲しい
観光協会で押してもらう
スタンプみたいなのじゃダメだな
勉強になった
男を磨いてまた来よう

夜は、青葉横丁提灯街へ出向くが
入りにくそうな店ばかりなのでやめて
安い居酒屋へ突入するが
客も BGMもうるさすぎて無理
おまけに店員も気が利かない
一杯だけのんで五分で出る

経験上、混んでいる店は、
元気な店員と、声のでかい客との
キンキン声の相乗効果で
どんどんうるさくなる仕組み
なかなか安くて静かでほっといてくれる
良い酒場を探すのは難しい

村さ来が好きなので出向く
黒はんぺんのフライを喰う
いいな、これ仕入れて帰ろう

静岡駅の銅像の姉ちゃんのお尻
素晴らしすぎて触りたくなるほど圧巻
思わずシャッターを押し
清水へ飛ぶ
堤防釣り場を探す
試してみるが、
安い竿とリールなので絡まってしまい
どうにもならなく完敗
家に戻り色々反省会をして
またチャレンジだな

清水を出て
中部横断自動車道50分で家に着く