吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

Man on The Moon 

四時起床
月が綺麗だった

昨日、東京帰宅途中
片側通行工事中の川沿い
見ると、大きな木々の伐採中
行政関係の方々の前を眺め通り過ぎる
ん?
ふと、思った
あの伐採の丸太もらえるかな?
よしっ!交渉だと急いで戻る

警備員が
”伐採中で危ないのであちらを歩いてください”と言う
”聞きたいことがあるからいいかね?”で
図々しくズカズカと行く
なんだなんだ、、クレームか?
と工事関係者方々、、
えへへへ、ニコリと笑い交渉へ突入

昔から交渉人と呼ばれ
どんな難題も通り抜けてきた
人は、嫌いな奴でも腹を割って話せばわかる
昔の営業マンである
結論から言うと、、
どうぞどうぞ運んでくださいで、
オレは図々しい
”割れる直径が53cmなので
できればサイズを合わせてもらいたい”
と、ありえない無茶なお願いをする
少し困った顔で、、
”できるだけ合わせて置いときます”
互いに笑顔で終了で商談成立!
というか無料です

さてと、朝5時に現場に到着
道路が混む前に終わらせよう
無理やり草むらへ車を入れる
ヒイヒイ言いながら積み込む
しかし、乾燥していないので重い
ずしりと響いた

急いで家に戻り飯を炊き
朝飯と昼弁当を雑に急ぎ作る

今日は忙しい、昼まで草むしり
畑は、スギナだらけでうっとうしい
みんな薬でスギナを枯らすけれど
オレは完全無農薬だから
延々と畑じゅうスギナだらけになる

負けてたまるか、麦わら帽子を被り
徹底的に抜く抜く抜く
昔の人は、こうして野菜を作ったんだと
楽を捨て身体で覚えろと言い聞かせる

スギナとて、
生えているだけで
生きるとか子孫を残そうとかの意味はない
人間から見るとスギナは雑草だけど
スギナから人間を見ると
人間は雑草だろうな、と、、

土と会話しながら、自然の哲学を思う
人間は、過ちを繰り返し何も学ばない
地球上に、必要のない生き物だな、スギナちゃんよ、、
でも、あんまり生えないでね
ぼくはもうしんどいから

午後飯を食い薪割り開始
ケヤキだと思ったけど匂いが違った
なんだか初めて嗅ぐ匂いだった
水を吸った木の肌はまるで桜肉みたいだった

夕刻、クタクタで腰を押さえ
イタタタ、やばいなぁ、、
もはや立てず呆然と薪を眺めておると
イトウから電話
”ハイサ〜イ!明日は、大宴会の予約があるから
社長、楽しんで張り切って
こっちにきてくださ〜い”

もう、もうね、、
腰が痛くて無理だぞ無理だぞ
と思うけれども言えなかった

あっ、はい、わかりました、、
と、かすれ声で電話を切る
あ〜、、、あ〜、、と唸り
夜飯の段取りを考える
風呂を沸かしてゆっくり浸かろう
大根があったな、豆腐もあったし
さつま揚げ入れて昆布と塩のおでんだ

今日はビールを呑もう
疲れてるだろ?
酒を染み込ませてゆっくり寝るんだ
ていねいに生きるんだぞ、オレ
溢れ零れ落ちていく自分に感謝しなさい