吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

蒸し裂けて候

こう蒸し暑くては
気力も失せてしまい
身動きもできず
呆然と過ごしている
本を読むきにもなれない
ただただ疲れているので
寝ているのだけれども、、

あんたさ、、
こう蒸し暑くては
オレのエアコンでもって
都会暮らしの様に
涼もうと思うけれども
田舎の我が家では
エアコンの効きが悪いものです
悪いものです
二回言っても蒸し暑い

それ、買い換えろよ!
と思うけれども
こう蒸し暑くては
気が滅入りもうて
購入気分にもならずに
体中が立ち上がれない

はて、とな申しもって
こりゃ寝たきりで
無駄な休日を過ごしてやろうと
思うのだけれども、、
こう蒸し暑くては
泥の汗を掻くばかりで
頭も掻ゆ〜くなってくるのだ

ほんで、アイスコーヒーばかり
飲んでいて、夕刻頃に立ち上がる
近所に居酒屋も無いので
ぼ〜っと過ごすばかり
眼前のこの桃や葡萄の木々を切り倒して
誰か、、
大衆的なる安げの静かな食堂をこさえてくれと
阿呆の夢を見るのだ

この時期は、桃をたくさん貰うので
一度も挨拶に出向いていない
東京家の近隣の方々へ
配ろうと思ったが、このご時世だ
良い事をしても面倒くさいやつだと
思われるかもしれないので
マンション管理人のおばさんに
挨拶に行きたいけれども
大丈夫か?と、聞いてみたら
階下の方とお隣に行けばよろし
と、言うてくれて
桃を配ることにした
基本、自然体の身なりだけれど
都会は、このオレでさえ気を遣う
暮らしにくい街であるが
まぁしょうがないとする

管理人のおばさんが言うには
”あなたの階のお隣さんは
四人家族で、奥さん昼間仕事をなさり
子供二人は、保育園
旦那さんは
吉本興業勤務で、昼は居る
けれども夜は居ず”と
個人情報丸出しで言うので
いやはや、、困ってしまった

昼間にピンポン鳴らし
お隣さんに遅すぎるご挨拶
旦那元気に出てきて
よろしくと伝えると
越してきたことさえ知らず
自ら吉本の芸人ですと言いなさり
芸名も名乗り事細かに芸風を教えてくれて
ぜひ!ネットで検索して下さいと
言ってくれて

テレビは見ないもので、、
とも言えないし
バラエティなんぞ嫌いだし、、
見たこともない人なので困った
桃を渡すと、さすが芸人、、
跳び上がるような仕草で驚き喜ぶので
いやはや、笑ってしまった
とても感じのいい男で
“頑張ってね”と伝えてドアを閉める

家に入って初見で
“頑張ってね、、”は
じつに失礼な事を言ってしまったなぁと
反省する
お笑いに詳しいイトウに事の次第を伝えたら
“貴様、知らないのか!
最近けっこうな芸人だぞ!と言いなさり
お隣さんが〇〇で凄いぞ!
今日も、あのテレビに出るだろう”
見ろと言う

彼の言う通りに検索して
ユーチューブの芸を見たら
本気の芸人は面白いなぁと思った
これで家族を養い
プロとして日々頑張っているのだなと

オレの言った
頑張ってね、、は
間違いじゃなかったなと思う
いい感じの男だったので
今度酒呑もうと言うだろうが
話題がなぁ、、
オレ、ドキュメンタリーしか見ないしな、、
まぁ、蒸し暑いから
人のことなんてどうでもいいや
人に興味ないしな
ただの隣人だな、、

蒸し暑さを涼むようにね、、
ヘリオのシークエンスが気持ち良いのだよ